日米の注目経済指標:米7月雇用統計でインフレ動向を見極める

2017年7月29日 15:20

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記事提供元:フィスコ


*15:20JST 日米の注目経済指標:米7月雇用統計でインフレ動向を見極める
7月31日-8月4日に発表される主要経済指標の見通しについては以下の通り。

■8月1日(火)午後9時30分発表予定
○(米)6月PCEコア指数-予想は前年比+1.3%
参考となる5月実績は前年同月比+1.4%で4月実績を下回った。PCE物価指数全体の前月比は-0.1%。消費財やエネルギーの値下がりが影響した。コアPCEは前月比+0.1%。6月については個人消費が順調であることから、伸び率がさらに鈍化する可能性は低いとみられる。ただし、インフレ加速の兆候は表れていないことから、コアPCEは前年比+1.4%前後の水準でしばらく推移するとみられる。

■8月1日(火)午後11時発表予定
○(米)7月ISM製造業景況指数-予想は56.2
参考となる6月実績は57.8で前月から2.9ポイント上昇。2014年8月以来の高水準だった。「新規受注」は4.0ポイント上昇し、「生産」は5.3ポイント上昇。7月については6月に大幅上昇となった反動で伸び悩む可能性があるが、製造業の景況感はかなり堅調であり、7月もやや高い水準を維持する見込み。

■8月4日(金)午後9時30分発表予定
○(米)7月雇用統計-予想は非農業部門雇用者数は前月比+18.3万人、失業率は4.3%
参考となる6月実績は非農業部門雇用者数が前月比+22.2万人、失業率は4.4%だった。
6月は20万人超の雇用増となり、4、5月分も上方修正された。7月については新規失業保険申請件数の推移を考慮すると雇用増は6月実績をやや下回る見込みだが、完全雇用に近い状態であることから、雇用情勢の改善は続いている。失業率については労働参加率が下げ止まっているものの、6月から0.1ポイント低下し、4.3%と予想される。

■8月4日(金)午後9時30分発表予定
○(米)6月貿易収支-予想は-455億ドル
参考となる5月実績は-465億ドルで貿易赤字額はやや縮小した。輸出額が2015年4月以降で最大となったことが要因。6月については輸出が順調に推移していることから、貿易赤字幅は5月をやや下回る見込み。ただし、自動車や消費財の輸入額が増加する可能性があるため、貿易収支の大幅な改善は期待できない。

その他の主な経済指標の発表予定は、7月31日(月):(日)6月鉱工業生産指数速報、8月1日(火):(米)6月個人所得・個人支出、8月2日(水):(米)7月ADP雇用統計、8月3日(木):(米)7月ISM非製造業景況指数。《FA》

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