テスラ、豪に巨大蓄電池施設建設へ 最新エネルギー貯蔵技術を駆使

2017年7月21日 16:39

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記事提供元:エコノミックニュース

電気自動車(EV)を開発するテスラモーターズは、同時に蓄電池システムの開発・普及も進め、すでにこの分野を牽引する存在となっている。全米に設置し、日本でも設置が進んでいる急速充電施設「スーパーチャージャー」のほか、今年1月にはネバダ州北部のリノ郊外にリチウムイオン蓄電池システム「ギガファクトリー」の運用を開始している。

電気自動車(EV)を開発するテスラモーターズは、同時に蓄電池システムの開発・普及も進め、すでにこの分野を牽引する存在となっている。全米に設置し、日本でも設置が進んでいる急速充電施設「スーパーチャージャー」のほか、今年1月にはネバダ州北部のリノ郊外にリチウムイオン蓄電池システム「ギガファクトリー」の運用を開始している。[写真拡大]

 電気自動車(EV)を開発するテスラモーターズは、同時に蓄電池システムの開発・普及も進め、すでにこの分野を牽引する存在となっている。全米に設置し、日本でも設置が進んでいる急速充電施設「スーパーチャージャー」のほか、今年1月にはネバダ州北部のリノ郊外にリチウムイオン蓄電池システム「ギガファクトリー」の運用を開始している。次に建設するのは、世界最大のリチウムイオン蓄電池システムで、南オーストラリア州での年内運用開始を目指す。

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 広大なアメリカでのEVの走行を考えると、少しでも長い距離を走れる電池と、充電施設が不可欠となる。ネバダ州ギガファクトリー内に設置されたパナソニックの電池セル工場で生産する円筒形リチウムイオン電池セルは、「Model 3」に搭載で航続距離を500kmと想定している。また、ギガファクトリーを建設することで規模の経済を効かしたコスト展開が図れ、バッテリーパックのkWhあたりのコストを30%以上削減できる。これにより、すでにほかのEVメーカーの追随を許さない状況を作り出している。ギガファクトリーの敷地総面積は12平方kmに及び、2018年には年間35GWhの電池を生産する予定。これによって、年間50万台のEVを生産できるようになり、これは13年に全世界で生産されたバッテリーの合計数を上回る規模となる。

 今回南オーストラリア州に建設予定の蓄電池システムは、フランスを拠点に再生可能エネルギーを手がけるネオエンと提携して建設する。テスラCEOイーロン・マスク氏によれば、同システムは、「地球上のどの蓄電システムよりも3倍強力な出力」を実現するとのことで、世界のエネルギー貯蔵技術の最前線に立つもの。南オーストラリア州は、再生可能エネルギーへの依存度が高く、停電が頻発する電力網のバックアップシステムを求めていた。同システムによる電力は3000戸余りの家庭の電力に相当するという。テスラは、EVで利用しているリチウムイオン電池と同様の技術を駆使して、成長市場であるエネルギー貯蔵市場での主導を目指している。(編集担当:久保田雄城)

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