NYの視点:7月FOMCでB/S縮小開始の観測も

2017年7月11日 07:44

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記事提供元:フィスコ

*07:44JST NYの視点:7月FOMCでB/S縮小開始の観測も
米連邦準備制度理事会(FRB)が発表した6月労働市場情勢指数(LMCI)は1.5ポイントの上昇と、上昇幅は市場予想の2.5を下回り昨年12月来で最低となった。5月分は2.3から3.3へ上方修正された。

同指数は19の雇用関連統計指標で構成されている。失業率、民間部門雇用者数、JOLT求人件数、NFIBデータなどが含まれる。FRBのイエレン議長やFOMCメンバーは失業率などの伝統的な雇用統計では労働市場全体の状況を正確に把握できないと、労働市場のたるみを判断するために同指数やJOLT求人件数に注目している。

米労働省が先週7日に発表した6月の雇用統計は、雇用の伸びが予想外に20万人を上回るポジティブサプライズとなった一方で、賃金の伸びが予想を下回るなど強弱まちまちとなった。労働参加率は62.7%から予想外に62.8%へ上昇。一方、不完全失業率(U6)は62.8%と、景気後退、金融危機前2007年以降10年ぶりの低水準となった5月から0.2%ポイント上昇した。

しかし、米6月の雇用統計は、労働市場がFRBの責務目標のひとつである完全雇用にほぼ達した新たな証拠となったことには変わりはない。米連邦準備制度理事会(FRB)が公表した前回6月会合の議事録を受けて、FRBが今月25−26日に予定されているFOMCで保有資産縮小を開始すると見ている金融機関のストラティジストもいる。《CS》

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