ウィリアムズF1チームが開発に関わった新生児搬送ケース「Babypod 20」

2017年7月10日 19:56

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記事提供元:スラド

eggy曰く、 世界最速のレーシングカーを開発するべく年間1億ポンドを超える予算を投じているウィリアムズF1チームが、レーシングカー技術を用いて新生児を搬送するためのケース「Babypod 20」を開発した。F1チームの兄弟会社にあたるWilliams Advanced Engineeringが、新生児の搬送システムを手掛けるAdvanced Healthcare Technology(AHT)と共同でBabypod 20のデザインを行っている(BBC)。

 今回開発されたのは、重篤な疾患を持つ新生児を搬送するためのもの。生まれたての赤ちゃんを搬送するのはとても難しく、搬送用ケース内の温度を一定に保ったり、赤ちゃんを振動や音から守る必要があるという。従来新生児の搬送に使用されてきた保育器は重たく扱いづらうえ、外部から電源を供給する必要があり専用車両を用意する必要があったそうだ。今回開発されたケースはカーボンファイバー製の軽量ケース内に透明なスライド式の蓋がついており、内部は厚いクッションで覆われている。

 Babypodはもともと従来の保育器より軽量で扱いやすいケースを目指してAHTが開発したものだが、デザインを改良すべくウィリアムズの参加を求めたのだそうだ。ウィリアムズがレーシングカー以外の分野に手を出したのには懐事情が大きく関わっているという。ウィリアムズF1チームは、フェラーリやメルセデスAMG、レッド・ブルといった潤沢な予算を持つチームと競争するため、少しでも収入源を増やたいという意図もあったようだ。

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