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AI・IoTで頭角をあらわす中国 国を挙げて推し進めるインダストリー4.0
中国政府は「5カ年計画」や「中国製造2025」を打ち出し、早い時期からIoT産業化を突き進めてきた。2016年から20年までの5カ年計画では、工業情報化部が、5GやIoT(モノのインターネット)、ビッグデータやクラウドコンピューティングを重要項目として挙げており、官民一体で集中的に取り組まれている。また、15年には「中国版インダストリー4.0」ともいわれる「中国製造2025」を打ち出し、そのなかの重要な位置づけとしてIoTを掲げている。
16年に打ち出した「中国スマート・マニュファクチャリングの5カ年計画」では、中国製造業の「スマート化」を推進すべくロードマップが示された。そこでは、重点分野として「次世代情報技術」や「工作機械とロボット」など10項目を選出。200項目以上の業界標準を策定することなど具体的目標設定とアクションプランが打ち出されている。
実際に、IoTにはバイドゥ、アリババ、テンセントのインターネット大手3社や、モバイルのファーウェイ、ZTE、大手キャリア3社のチャイナモバイル、チャイナユニコム、チャイナテレコムなど多数の有力企業が取り組んでいる。これに対して、研究体制、業界団体の確立や、海外有力企業との提携、国際的な特許戦略や標準化戦略の強化など、国を挙げたバックアップ体制により研究・開発環境の整備を図っており、テンセントなど世界レベルのAI企業を輩出するなどその成果が顕在化してきている。
日本においても16年に打ち出された「日本再興戦略 2016」において、インダストリー4.0を実現すべくIoTやAIの社会実装を前面に押し出した戦略を展開。ここでも国が中心となって規制・制度改革やデータ利活用環境の整備が進められている。また、AI推進においては「人工知能技術戦略会議」を設置するなど、司令塔設置による業界全体の方向づけや標準化推進体制の強化を図っている。重要なポイントとして、自前主義からの脱却を掲げており、オープンイノベーションで世界的人材を惹きつける国となることを目標に掲げる。各国、国際競争力を高めるために、インダストリー4.0とその周辺技術の強化に必死で取り組んでいる現状がある。ルール作りや方向づけと同時に、思い切った規制緩和やオープンイノベーションを推進することが成否のカギを握っていると考えられる。(編集担当:久保田雄城)
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