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アコム、最終損益は721億円の赤字へ、585億円の黒字予想から一転
消費者金融大手のアコムは26日、2017年3月期の業績予想の下方修正を発表した。会社予想の連結純利益585億円から一転、721億円の赤字と、予想から1,306億円減額修正となった。過払い利息の請求金額が、会社の予想を上回った。
アコムが昨年5月9日に発表していた2017年3月期の連結業績予想では、営業収益は2,423億、本業に関わる費用を差し引いた営業利益は648億円となる見込みだった。今回の修正は、営業収益は2,451億円と予想よりも28億円増加しているが、営業利益が701億円の赤字に転落した。
修正の理由について、営業費用のうち過払い利息の返還請求が当初の予想を上回って推移している状況を踏まえて、引当金として1,437億円を計上したためという。この引当金計上は第3四半期で144億円、第4四半期で1,293億円とし、前回の第3四半期の決算発表時点と比べて急増している。
日本貸金業協会の発表する月次実態調査によると、2017年度の消費者金融業態における利息返還金額は、4月から9月頃までには概ね前年を上回る金額で推移しているが、10月から2月までは前年を下回って推移している。3月分については現時点で未発表ではあるものの、アコムが第3四半期の決算を発表した1月30日以降に急激に請求金額が増加したとは考えにくい。
今回の下方修正の発表では、過払い利息返還金の引当金を大幅に積み増した点の詳細については触れられていない。前回の決算短信では、業績の上振れ分で過払い利息返還分の引当金は吸収できるとしていたため、業績は修正されなかった。
日経新聞は18日に、2017年3月期の連結営業利益が150億円程度と報じたが、アコムは同日に、自社が発表したものではなく現在精査中であると発表していた。同業のアイフルについても日経新聞では営業利益が70億円前後になりそうだと報じているが、こちらもアイフルは精査中である旨を発表している。ともに5月10日に2017年3月期の本決算を発表予定だ。(記事:高橋珠実・記事一覧を見る)
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