垂直離着陸でき完全電動の空飛ぶタクシー、プロトタイプが初のテスト飛行成功

2017年4月23日 22:19

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記事提供元:スラド

垂直離着陸(VTOL)可能な空飛ぶタクシー「Lilium Jet」を開発中のドイツ・Liliumは20日、プロトタイプ「Eagle」による初のテスト飛行が成功したことを発表した(Liliumのニュース記事The Vergeの記事VentureBeatの記事動画)。

Lilium Jetは電気ジェットエンジンをフラップに搭載し、浮上時は垂直、浮上後は水平に噴射して飛行する。エンジンコンポーネントは小型のものが数十個搭載され、複数のコンポーネントが失われても問題なく垂直着陸できるそうだ。機体全体を安全に降下させるためのパラシュートも装備する。最高速度は300km/h、航続距離は300km。完全電動であり、オートバイよりも静かだという。

これまでLiliumは小型のプロトタイプでテストを行っており、Eagleは初のフルスケールプロトタイプとなる。テスト飛行は遠隔操作によって実施されたが、有人のテスト飛行も近く実施する計画のようだ。2人乗りのEagleでテスト飛行が成功したことで、今後は5人乗りタイプの開発を進めていくとのこと。

一方、20年以上にわたり空飛ぶ自動車の開発を続けているスロバキアのAeroMobilは、モナコで23日まで開催中のTop Marques Monacoで最新モデルを発表し、初の予約受付を開始したそうだ。予約を受け付けるモデルは500台限定で、価格は120万ユーロ~150万ユーロ。2020年までに最初の出荷を始める予定とのこと。こちらは翼を折りたたむことで通常の自動車として道路を走行することも可能で、飛行時にはガソリンエンジンを使用し、地上走行時はハイブリッドとなる(AeroMobilのニュース記事Mashableの記事Ars Technicaの記事)。
The Vergeが指摘しているように、空飛ぶ自動車は常に数年先の未来の存在だった。実用化には技術面だけでなく法律面の問題なども出てくるが、実際にタクシーとして気軽に呼び出して利用できるのはいつ頃だろうか。

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