自動車部品など複雑な形状への精密洗浄システムが開発

2017年3月30日 12:55

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パラレルリンク型高速角度制御装置を組み入れたクイックスノー洗浄システム。(エア・ウォーター発表資料より)

パラレルリンク型高速角度制御装置を組み入れたクイックスノー洗浄システム。(エア・ウォーター発表資料より)[写真拡大]

 エア・ウォーター社とNTN社は、両者の技術を融合し、自動車部品、半導体、電子制御部品などの高度な精密洗浄を必要とする製品の生産工程に利用可能な、ドライ精密洗浄装置を新規に開発した。

 両者の技術とは、エア・ウォーターのドライアイススノー精密洗浄システム・クイックスノーと、NTNのパラレルリンク型高速角度制御装置である。

 クイックスノーは、液化炭酸ガスからドライアイス微粒子を生成し、高速で射出して目標物に衝突させることで、ミクロ単位の異物を除去することのできる、ドライ洗浄装置だ。

 ドライアイスによる洗浄は、単に衝撃によって異物を飛ばすだけではなく、物体と異物の間に微細なドライアイス粒子が入り込み、体積にして750倍という二酸化炭素の気化膨張を利用し、異物を剥離飛散させるものである。また、薬液による汚染や洗浄痕、液面張力による洗浄物の破損が生じるリスクがないのもメリットである。

 ただし、このクイックスノーによる洗浄の効率を最大化するためには、噴射ノズルを常に最適な位置に動かしつつ洗浄しなければならないが、従来のロボットアームではノズルの動きが十分に滑らかにならないという課題があった。

 そこで、NTNの技術との融合がはかられた。パラレルリンク型高速角度制御装置は、高速、高精度の「角度位置決め装置」である。2014年に改良を加えられ、現在の製品となっている。

 両者を組み合わせた新しい商品は、クイックスノーのノズルを連続的に高速角度制御装置で制御することで、従来のクイックスノーでは対処が難しかった異物も効果的に除去することができる。その対応力は、実に1,000分の1ミリサイズであるという。

 また、この製品は、今年4月5日から7日にかけて開催される第27回ファインテックジャパンの、エア・ウォーターブースに参考出展される。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

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