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LinuxからWindowsへの移行検討の独ミュンヘン市、現在の状況は?
headless 曰く、 ドイツ・ミュンヘン市が独自のLinuxディストリビューション「LiMux」からWindowsへの移行を検討していることは先日からたびたび話題になっているが、現在の状況をFree Software Foundation Europe(FSFE)のBjörn Schießle氏が解説している(FSFE、Phoronix)。
この件に関しては、市議会多数派のドイツ社会民主党(SPD)とキリスト教社会民主同盟(CSU)の議員がWindowsおよびWindowsベースのクライアントソフトウェアへの移行を求める動議を提出し、2月15日に可決されたことでLiMux終了とも報じられている。ただし、可決された動議はSPDとCSUが提出した動議のセクション6bを改訂したものであり、これが最終決定ではないのだという。
改訂後のセクション6bには、Windows移行に伴って不要になるLiMuxベースのアプリケーションを明確にし、過去の投資に対して必要な減損処理の金額や移行に要する大まかな予算額を市議会に通知するといった条件が追加された。さらに、これらの条件が満たされたのちに最終の決定を行うとの文言も追加されている(PDF)。
最終決定の先送りはFSFEやThe Document Foundation、KDE、OSBAが市民と協力して議員やメディアに働きかけた成果だという。公聴会では議員がFSFEなどによる質問の内容を引用し、このように多くの意見が市民から寄せられるのは初めてだとも述べたそうだ。
動議ではクライアントOSに依存しないツールを利用可能にすることを目標に掲げる。また、移行にあたっては、Windowsベースのクライアントを使用するか、既存のWindows/LiMuxベースのソリューションを使い続けるかを各部署が必要に応じて選択できることになっている。
市から依頼を受けたAccentureのリポートでも指摘されているように、LiMuxの問題はサポート体制や責任の所在が明確になっていないといった組織的なものであり、技術的な問題ではない。FSFEでは最終決定の先送りにより時間が稼げたことから、まだまだ巻き返しが可能だと考えているようだ。
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