人は他人の写真には興味がないが「自撮り」は大好きという調査結果

2017年2月25日 12:12

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人は他人の写真には興味がないが「自撮り」は大好きという調査結果

人は他人の写真には興味がないが「自撮り」は大好きという調査結果[写真拡大]

 「Frontiers in Psychology」に掲載された新しい調査レポートによると、自撮りを好む人が多い一方で、他人の写真には興味がないことが分かった。

 レポートでは、238人にアンケートをとり、そのうちの77%が定期的にセルフポートレート、いわゆる「自撮り」をしてSNSに定期的に投稿していると回答。一方で、「多くの人がセルフポートレートを撮り投稿するのが好きだが、逆に、他の人が撮った写真を見て楽しむことはないという事がわかった」と、ミュンヘンにあるルードヴィグ・マクシミリアン大学のサラ・ディフェンバッハ氏は語る。

 サラ氏による「セルフ・パラドックス」と名づけられたこの研究では、他人のセルフポートレートをSNSなどで見る場合、それを自己宣伝として判断しているそうだ。「これは、誰もが自分自身については許容しているのに、他人の"自己顕示欲"については毛嫌いとしているという事実を説明する結果かもしれない」。

 しかし、「この現象は両刃の剣になる」現象だと、サラ氏のレポートでは警告されている。

 その理由として「自分大好き人間が、セルフポートレートを撮りSNSに投稿したりすることは、現代では日常的な習慣となっている。それは同時に、しばしば自分の顔を批判されたり、侮辱を呼び起こす。もちろん、自分も他人のセルフポートレート投稿に対して悪意をむけることもしばしば。その結果、多くの人が互いの自己顕示欲やナルシシズムを崩壊させることに直結していることが調査は明らかにした」と分析する。

 この矛盾を孕む調査結果は、まさに「セルフ・パラドックス」という研究結果が正確なものであるという証と言える。

 毎日のSNS投稿と共有の現象(潜在的に多くの見知らぬ人を含む、広義のSNS的サークル=フェイスブックやインスタグラムなど)が毎年増えている一方で、多くの人々はこの「自撮り」のSNS投稿には、潜在的な悪影響がかなりあると感じて困惑していることを物語っているのではないだろうか。(記事:マーヴェリック・記事一覧を見る

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