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アプリ開発の関心事や課題、アプリの種類や特性で重視する点異なる
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ガートナー ジャパンは、日本におけるアプリケーション開発に関する調査結果を発表した。調査は、国内のエンタプライズ・アプリケーション開発に関する問題意識および手法などを明らかにする目的で、日本企業のIT部門のマネージャーを対象に実施したもの。
エンタプライズ・アプリケーション開発の品質、コスト、納期 (QCD) のうち、今後最も重視するものを1つ選択する形式で、最大の関心事や課題を尋ねた。その結果、「アプリケーションの特性により異なる」との回答が最も多く、アプリケーションの種類や特性に応じて重視する点は異なる、という意識を多くのユーザー企業が持っていることが明らかになった。品質、コスト、納期の中では、品質とコストへの関心が高く、納期が最も低くなった。昨今、開発期間を短縮する重要性が指摘されているが、開発の現場では納期の短縮やスピードよりも、現状では品質とコストの方が差し迫った問題であることが示された。
また、アプリケーション開発におけるQCDの改善のために意識改革が必要な組織を尋ねたところ、その結果は割れたという。中でも「ビジネス部門 (機能部門含む)」という回答が最も多く、ユーザーであるビジネス部門に意識を変えてほしいというIT部門の要望が強いことが明らかになった。一方で、「IT部門」の25.0%と「経営層 (CIO含む)」の23.3%が拮抗しており、経営層に意識改革を求める声も挙がっている。さらに、「システム・インテグレーター (SI)/ベンダー」が続きます。現場のIT部門は、自部門だけではQCDの改善を実現しづらく、ビジネス部門や経営層、および外部のSI/ベンダーの支援が必要であると感じていることがうかがわれるとしている。
今回の結果について、ガートナー ジャパンのリサーチ部門リサーチ ディレクターである片山治利氏は、次のように述べている。「今回の調査において、納期への関心は低い反面、品質とコストへの相対的な関心の高さが浮き彫りになりました。これは、品質偏重や過剰なコスト意識というわけではなく、ユーザー企業がアプリケーション開発の品質やコストの現状に対して抱いている問題意識の表れであるといえます。企業の基幹業務を支えるアプリケーションは長期的に使われることも多く、新しい開発手法やツールの採用は容易ではありません。しかし、障害やバグなどの品質の問題、コスト高の問題を解決できなければ、デジタル・ビジネスの時代に求められるビジネス環境の変化に対応するアプリケーション開発を実現することはできません。IT部門はその解決のために、本来実施すべき役割のほかに、今までの視点とは異なるアクション、例えば新たな開発手法やツールの採用を積極的に取り入れることも有効です。IT部門は、これまでの価値観にとらわれず、自らが進化・成長する姿勢を持つべきです。デジタル・ビジネスの時代にある昨今、アプリケーションには企業のビジネス価値を生み出すことが求められています。IT部門は品質やコストの課題を早期に解決し、ビジネスに貢献するアプリケーションを開発できる次元に、自らシフトしていかなければなりません」。(編集担当:慶尾六郎)
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