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Microsoft、Windowsからコマンドプロンプトは簡単になくならない
Windows 10 Insider Previewでは、ビルド14971以降で標準のコマンドシェルがコマンドプロンプト(cmd.exe)からWindows PowerShellに変更されているが、それでもコマンドプロンプトがなくならない理由をMicrosoftのRich Turner氏が解説している(Windows Command Line Tools For Developersの記事、OnMSFTの記事)。
これはComputerworldによる2本の記事「Say goodbye to the MS-DOS command prompt」「Follow-up: MS-DOS lives on after all」に反論するものだ。この記事はBusiness InsiderやLifehackerなどでも取り上げられ、コマンドプロンプトが利用できなくなることを懸念する多くの声が寄せられたそうだ。
Turner氏はこれらの記事が事実ではないとして、Cmdは近い将来にも遠い将来にもWindowsから削除されることはないと述べている。実際のところ、MicrosoftではWindowsのビルドやテストを自動化するシステムで長年にわたり作成した多数のCmdスクリプトを使用しており、CmdがなければWindowsをビルドできないという。
また、CmdはWindows上でファイルエクスプローラーやEdge、Internet Explorerと並ぶ最も実行頻度の高い実行ファイルである点や、多くのカスタマーやパートナーがCmdに完全に依存している点も挙げている。そのため、Cmdスクリプトやツールを使用する人がほぼ完全にいなくならない限り、CmdはWindowsに残っていくとのこと。
Turner氏はComputerworldの記事の間違いも指摘している。一つはビルド14971のリリースノートにある、PowerShellがWin+Xメニューのコマンドプロンプトを置き換えるという「It replaces Command Prompt (aka, “cmd.exe”) in the WIN + X menu」部分だ。これを引用したComputerworldの記事では「「It replaces Command Prompt (aka, “cmd.exe”).」となっており、まるでコマンドプロンプトが削除されるような記述に変えられていた。また、CmdをMS-DOSと同一視していることについても誤りであると述べている。
当分Cmdがなくなることはないにもかかわらず、デフォルトのコマンドシェルを置き換えた理由としては、PowerShellのようなパワフルなシェルをCmdでは実現できないためだという。Cmdスクリプトやツールはレガシーな機能や挙動に依存するため、下手に機能を拡張したりすれば困る人が出てくる。一方のPowerShellは高度な拡張性や柔軟性を持っており、昨年オープンソース化されたことでWindows以外のプラットフォームでも利用可能となっている。
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