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自動車燃費試験、JC08モードからWLTPへ、世界統一燃費規格に
写真はトヨタのハイブリッド車プリウスE、このグレードは装備を簡略化しガソリンタンクを小さくして意図的に車重軽減して、JC08モード燃費40km/リッターを達成した“燃費スペシャル”グレード。他のプリウスの燃費は37,2km/リッター。WLTPの導入で、こんな芸当は通用しなくなる[写真拡大]
日本国内における普通自動車の燃費は、国土交通省の規定で2007年から10・15モード燃費により測定されていた。が、加速にかける時間が極めて長く(つまり加速不足)、測定するスピードが一般的な公道よりも低いなど実際の使用条件と乖離しており、カタログでの数字と実際の使用下での数字の差が大きくなりがちであることを指摘されていた。
2011年4月1日以降に型式認定を受ける自動車について使われたJC08モードでは、より実際の走行パターンに近い測定法を実施。測定時間も倍近く長くなるほか、平均時速も高められ、最高速度も70km/hから80km/hに引き上げられた。重量区分についても10・15モードよりも細分化されたため実際の重量により則した計測となっていたとされる。
そのJC08モード燃費測定が2017年度で廃止となり、2018年から新しいWLTPと呼ばれる燃費測定規格に変更となる予定。WLTPとは「Worldwide harmonized Light vehicles Test Procedure」の略で、世界各国でバラバラだった燃費基準を国際基準に統一しようというもの。
従来のJC08モードと何が違うのか簡単に現すと、「平均速度がアップして欧米の実用モードに近いテスト」といえる。
具体的にJC08モードとの相違点を列記すると、まず平均速度が24.41km/hから36.57km/hに、最高速度も81.6km/hから97.7km/hに上がる。逆にアイドリング時間は、アイドリングストップ装置などの普及を考慮して29.7%から15.4%に減少する。
大きな違いはコールドスタート比率だ。JC08モードで25%だったコールドスタート比率が、WLTPでは100%となる。つまり、完全にエンジンが冷え切った状態から試験が始まる。自動的に暖機運転が始まるので燃費は悪化する。国土交通省の資料でも具体的に示しているが、WLTPによって、これまで燃費測定に有利だったアイドリングストップ機構搭載車やハイブリッド車の燃費値が相対的に落ちるとしている。
また、試験車両の重量区分が変更となる。これまでの区分重量(971〜1080kgまで)から実際の車重でテストする。燃料タンクを小さくして極端な軽量化で40km/リッター燃費を達成した新型プリウスEグレードのような燃費スペシャルな広告塔車両が意味を成さなくなる。より実用燃費に近い試験法に期待したい。(編集担当:吉田恒)
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