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入試が変わる、検討進む大学入学希望者学力評価テスト
センター試験に変わる新共通テストの準備が、2020年の実施に向けて行われている。国語と数学に記述式問題が追加され、「思考力」と「表現力」を評価するのが狙いだ。[写真拡大]
大学入試センター試験に代わり2020年度から新たに新共通テスト「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」が導入される。文部科学省と大学入試センター、国立大学協会の各部門では導入に向けた準備、検討が進められている。従来のセンター試験ではマークシートでの選択回答方式のみであったのが、新テストでは国語と数学に記述式問題が追加される方針。受験者の思考力や表現力といった、マークシートだけでは判断しきれない能力を評価するのが狙いだ。
国語においては「話すこと・聞くこと」「書くこと」「読むこと」という能力を評価するため、80文字程度の短文記述式問題を出題。更に2次試験では200~300文字程度の長文記述式問題が出題される方針。文科省のサイトでは課題文を読ませた上で内容に対する意見や、課題文の空白を補うという記述式問題がたたき台として掲載されている。
数学においては「情報を読み取る力」「整理・統合して問題解決の方針を立てる力」「理論的に考察し、処理をして結果を得る力」そして「数学的な過程や結果を他者に伝える力」といった能力を評価することを目的として記述式問題を導入。問題文と図形が与えられ、事象の証明や計算プロセスの記述をさせる問題が同様に掲載されている。
現在文科省と大学入試センターに設置された新テスト実施企画本部では17年度初頭にモデル問題を公表するために準備が進められている。その後17年から19年にプレテストを行ない、20年度の実施を目指している。
今回の新テスト導入にあたり、これまでの「問題を解く力」だけではなく、結果に至るまでの「思考力」や、結果を伝える「表現力」といった、より多角的な能力の評価が可能になる一方、これまでの入試のテクニックが通用しなくなる。
センター試験対策はとにかく問題を回答するという訓練が主になっていたが、これからは「表現する」という能力を身につける必要が出てくる。受験生や指導する教育の現場にとっては負担が増すことになるが、テクニックに依存しない、総合的な学力向上に繋がる良いきっかけになるかもしれない。(編集担当:久保田雄城)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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