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トランプ・ラリーがすぐに終わると決めつけるのは早計かもしれない
*08:03JST トランプ・ラリーがすぐに終わると決めつけるのは早計かもしれない
トランプ次期米大統領への期待による株価及びドルの上昇、いわゆる「トランプ・ラリー」が続いている。米国のダウ平均株価は連日のように史上最高値を更新し史上初の20000ドル台に接近し、ドル円は115円台に乗せた。日経平均株価もダウやドル円に連れて一時19000円を回復した。
あまりにも急激な上昇に、期待先行との懸念や、短期筋主導によるもので長続きしないとの見方から、「トランプ・ラリー」はどうせすぐに終わるだろうという声も多い。今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)や、来月のトランプ氏の米大統領就任辺りでいったん出尽くしとの見方も多いようである。
確かに、現在の株価上昇は期待先行の感は否めず、相場の持続性は今後トランプ氏が実際にどのような政策を実行するかにかかっているのは間違いない。
ただ、現在の状況は安倍政権が発足し、アベノミクスに期待が集まった時の日本の状況によく似ている。トランプ氏の掲げる、財政出動拡大、規制緩和、減税等はさしずめ「アベノミクス3本の矢」に該当すると言えよう。
アベノミクス相場が安倍政権発足後もしばらく続いたように、トランプ氏の大統領就任後もしばらくの間期待が継続する可能性が十分ある。
もう一点注意すべきなのは、世界経済のファンダメンタルズが意外と堅調であるという点である。株価が上昇している背景にはファンダメンタルズが改善していることもあり、世界的にこれまでのリスク回避重視の姿勢から、いわゆるグレートローテーション(債券から株等へ資金が移動する)がいよいよ本格的に始まっているという指摘もある。
短期筋が主導しているという証拠も明確ではない。例えば、短期筋で代表的なシカゴ市場の投機筋のポジションは米国株(S&P先物)・日本株(日経先物)とも売り長となっている。米国では投信などの足の長い資金の流入がかなり勢いづいている模様である。
逆張りを好む日本の個人投資家は、日本株やドル円を大きく売り越しており、売りポジションで評価損を抱えている向きも多い。トランプ・ラリーがすぐに終わると決めつけているのかもしれないが、アベノミクス相場初期のように、トランプ氏への期待が続く限り「踏み上げられる」危険があることに注意が必要だ。《YU》
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