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米連邦最高裁、サムスンとAppleの控訴審判決一部無効とし下級審に差し戻す
headless 曰く、 米連邦最高裁は6日、特許権をめぐるAppleとSamsungの裁判について、控訴審判決の一部を無効として連邦巡回区控訴裁判所に差し戻した(裁判所文書PDF、Verge、Guardian、Consumerist)。
この裁判では2012年に連邦地裁で陪審団が損害額を10億ドル超とする評決を出しているが、控訴審での判断に基づいて連邦地裁が約5億4千8百万ドルの賠償金支払いを命じている。SamsungはAppleに賠償金を昨年12月に支払ったが、デザイン特許侵害に関する約3億9千9百万ドル分の取り消しを求めて上告していた。
連邦最高裁では、デザイン特許が製品の1つのコンポーネントにのみ適用される場合、そのコンポーネントに起因する部分に限定して侵害による利益を算定すべきではないかという点についてのみ上告を受理。米特許法289条では、デザイン特許を侵害して「article of manufacture」を製造または販売した場合、侵害者はその利益の全額をデザイン特許保有者に負うものとされている。
控訴審はデザイン特許を侵害するコンポーネントが個別に販売されていないとして、消費者に販売された最終製品を基準に賠償額を算定している。これに対し最高裁では、「article of manufacture」が指すものは手作業または機械により製造された物品を示すに過ぎないとし、個別に販売されているかどうかは重要ではないと判断。控訴審による狭い意味での解釈は289条に一致しないとして判決を差し戻し、最高裁の意見に従った判断を示すよう命じた。
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