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あなたの家は大丈夫?住宅に必要な三つの地震対策
11月22日早朝、またもや東北地方で大きな地震が発生した。福島県沖を震源とするM7.4の地震は、同県で震度5弱を観測。福島及び宮城県の各地で津波も発生した。2011年の東日本大震災の教訓と経験が活かされ、避難行動などもスムーズに行われたこともあって、死者は出なかった。しかしながら、さきの大地震で深い心の傷を負ったばかりの地元の方々の不安と恐怖は計り知れないものがあっただろう。
とはいえ、それは東北地方以外の人にとっても他人事ではない。4月には熊本で、10月には鳥取で大きな地震があり、近い将来には南海地震や東南海地震などの巨大地震の発生も懸念されている。地震の脅威は日本全国にあることを忘れてはならないのだ。
被害を最小限に抑えるためには、平時からの備えが何よりも重要になる。避難用品や防災グッズの確保をはじめ、避難場所や避難経路の確認、避難訓練等を地域や集合住宅単位でしっかりと行っておくことで、最悪の事態が起こってしまった時の対応や判断も大きく変わる。備えあれば憂いなしという言葉があるが、天災に関しては、いくら備えても、備えすぎるということはない。
これは人に限らず、建物でも同じだ。建物に施す地震対策も、やってやり過ぎるということはない。しかも日本の場合、細かい地震が頻繁に起こるから、新築時にいくら対策を施した建物だったとしても、定期的なメンテナンスや点検は必ず必要だ。どんなに強固な住宅でも、何度も強い地震が起こるとどうしても壊れやすくなってしまう。
では、具体的にどういう対策をすれば良いのだろうか。建物の地震対策は大きく分けて「耐震」「免震」「制震」の3種類がある。
最も基本的なものが「耐震」で、具体的には家の柱や筋交いなどを強固にすることで、建物自体の強度を高める方法だ。「免震」は建物の下に積層ゴムなどの装置を入れ、直接建物に伝わる地面の揺れを軽減する方法だ。ブリジストンやオイレス工業などが製造しており、新築時に設置する。そして「制震」は、壁の中にダンパーなどの制震装置を入れて、地震のエネルギーを吸収することで建物の変形や損傷を軽減する方法だ。住友ゴムのMIRAIEや住友理工のTRCダンパーなどが有名で、新築時はもちろん、リフォーム時にも追加できるのが大きな特長の一つとなっている。
まずは住宅の耐震強度を高めることが基本的な地震対策となるが、それに加えて免震や制震対策をとっておくことで、大きな地震や複数回にわたる地震に対しても耐えうる可能性が高まるのは間違いないだろう。専門家でも地震予知は難しいといわれているが、専門家でなくとも事前の地震対策はとれるし、技術も日進月歩で進歩している。もちろん費用はかかるが、命の重さと比べれば検討する価値は十分あるだろう。(編集担当:藤原伊織)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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