NICT、「つらい経験の記憶を無意識のうちに消去できる」技術開発

2016年11月30日 18:03

印刷

記事提供元:スラド

あるAnonymous Coward 曰く、 情報通信研究機構(NICT)が災害や事故、戦争、被暴力といった「恐怖記憶」を消去する手法を開発したと発表した(京都新聞ねとらぼ)。

 この手法は、脳の活動を監視し、恐怖を生じるような脳活動を確認した際に報酬を与えるというもの。これは「Decnef(デコーディッドニューロフィードバック法)」と呼ばれている。

 20代を中心とした男女17人に実施した実験では、まず被験者に対し特定の図形を見た際に微弱電流を与えるという方法で「恐怖記憶」を形成。その図形を見ただけで恐怖反応が生じるようにしたうえで、報酬として金銭を使用したDecnef法を使って恐怖の緩和を試したという。その結果、その図形への恐怖反応が減少していることが確認できたという。なお、仕組みや訓練の目的が恐怖記憶の消去であることは被験者には伝えられていなかったという。

 研究チームは、一歩間違えれば洗脳とみなされる可能性もあり、安全性を期して慎重に研究を継続するとしている。

 スラドのコメントを読む | 医療

 関連ストーリー:
マウスに合成記憶を植え付けることに成功 2015年03月12日
PTSDを脳に極小チップを埋め込む手法で治療するプロジェクト 2014年06月03日
脳に特定の周波数の電流を流すと、寝ながら夢をコントロールできる 2014年05月14日
テトリスでPTSDの症状を軽減 2009年01月09日
マウスの記憶の選択的消去に成功 2008年10月27日

※この記事はスラドから提供を受けて配信しています。

関連記事