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産総研、「銀-リン酸カルシウム複合粒子」の合成技術、歯科治療の抗菌剤に
記事提供元:スラド
acountname曰く、 産業技術総合研究所(産総研)が、歯科治療の際の抗菌剤などに利用できるという「銀-リン酸カルシウム複合粒子」の合成技術を開発したと発表した(Acta Biomaterialia誌掲載論文)。
カルシウムイオン、リン酸イオン、銀イオンの混合水溶液にパルスレーザー光を照射するだけで合成でき、この粒子が抗菌作用を持つことも確認したとのこと。
この複合粒子は、虫歯菌の出す酸に対して溶けてアルカリ性のイオンとなって中和するとともに、銀イオンが虫歯菌を殺菌してしまう。溶けだしたカルシウムイオン、リンイオンはそのまま歯の再石灰化に役立つと、一石三鳥くらいの効果がある。
銀ナノ粒子を内包させたリン酸カルシウム粒子には除菌効果や歯の再石灰化促進効果などがあると考えられており、歯科医療分野での応用が期待されていたが、合成操作が複雑で時間がかかると言った問題があったという。今回開発された合成技術では、水溶液に比較的弱いナノ秒パルスレーザー光を20分間照射するだけで複合粒子が合成できたという。リン酸カルシウムの不定系粒子がレーザー光を吸収して瞬間的に過熱されて融解・球状化し、さらに光還元された銀イオンが析出するというプロセスによって合成が行われるようだ。また、銀イオン濃度を変えることで複合粒子中の銀とリン酸カルシウムの比率も調整できるという。
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