Windows 10でもEMETは無駄ではない、CERTが反論

2016年11月27日 10:47

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記事提供元:スラド

Microsoftは脆弱性緩和ツールEMETをWindows 10で使用する必要はないとし、2018年7月31日のサポート終了を明らかにしているが、Windows 10でもEMETのようなツールが必要だとCERTのWill Dormann氏が反論している(CERT/CC Blogの記事The Registerの記事Neowinの記事BetaNewsの記事)。

Microsoftでは、EMETと同等かそれ以上の機能が多く統合されたWindows 10でEMETを使用する必要はないと主張。EMETの機能が統合されていないWindows 8.1までのOSでは、パフォーマンスや信頼性が低下するとしてWindows 10への移行を推奨している。

しかし、Dormann氏によれば、Windows 10にEMETを組み合わせることで、Windows 10単体と比べて13種類12種類(※)の緩和策が追加されるという。Windows 10のControl Flow GuardはEMETのROP緩和策と同様の保護機能を提供するが、アプリケーション側でCFGを有効にしていなければ利用できない。緩和策の数で比較すれば、Windows 7+EMETもWindows 10を上回る。

そのため、Windows 10でEMETが不要になるというMicrosoftの説明は正しくないとのこと。また、サポートが終了したアプリケーションで未修正脆弱性が発見されるとゼロデイ脆弱性ではなく「forever-day」脆弱性になるとし、こういったアプリケーションを保護するためにもEMETのようなツールが必要だと述べている。

※元記事のWindows 10単体で対応可能な緩和策に「NullPage」が追加されたので訂正 スラドのコメントを読む | セキュリティセクション | セキュリティ | マイクロソフト | バグ | Windows

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