フロリダ、遺伝子操作したネッタイシマカ放出実験を対策委員会が決定

2016年11月25日 17:53

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記事提供元:スラド

headless 曰く、 米国・フロリダ州モンロー郡のフロリダキーズ諸島で計画されている遺伝子操作したネッタイシマカの放出実験について19日、フロリダキーズで蚊の対策を行うFlorida Keys Mosquito Control Districtの委員会が議決を行い、3対2で実施が決定した(NPRGenetic Literacy ProjectArs TechnicaOxitecのプレスリリース)。

 放出するネッタイシマカは英Oxitecが開発したOX513のオスで、OX513と交尾したメスのネッタイシマカが産んだ子供は成虫になる前に死滅する。8月には米食品医薬品局(FDA)が環境への重大な影響はないとの最終判断を出しているが、大統領選挙に合わせて11月8日にモンロー郡で実施された住民投票では賛成派が過半数を超えたものの、実験予定地のキーヘイブンでは65%が反対という結果になっていた。

 住民投票に拘束力はないが、議決が行われた委員会の定期会合(動画)では、反対派が多数を占めるキーヘイブンでの実施の是非について出席者や委員から多くの意見が出されている。一方、世界保健機関(WHO)がジカウイルス関連の緊急事態終了を宣言しているが、感染が終息したわけではないという意見や、ジカウイルスは感染しても発症しないことが多いため、フロリダキーズで感染者が確認されていないといっても感染が広がっていないとは限らないといった意見も出された。そのため、キーヘイブンでの実施は白紙に戻され、改めて実験地を選定することになるようだ。

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