中国:10月外貨準備は457億ドル減の3.12兆ドル、1月以来の大幅縮小

2016年11月8日 10:24

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記事提供元:フィスコ


*10:24JST 中国:10月外貨準備は457億ドル減の3.12兆ドル、1月以来の大幅縮小
中国人民銀行(中央銀行)が7日発表した今年10月の外貨準備高は3兆1207億米ドル(約326兆円)と、4カ月連続で縮小傾向を示した。前月比で457億米ドル減少し、2011年3月以来の低水準を記録している。縮小幅は1月(994億米ドル)に次ぐ今年2番目の大きさとなった。
アナリストらによると、米国の早期利上げ観測が強まる中、人民元相場の下落圧力が強まっていることが背景。オンショア人民元は10月、対米ドルで1.53%下落し、昨年8月の実質切り下げ以降で最大の下落率を記録している。中国当局が元相場安定のために、米ドル売り介入を行ったことが外貨準備の縮小につながった。米ドル高を受け、中国が外貨準備として保有するユーロや円の価値が目減りしたことも影響したようだ。
ただ、国際通貨基金(IMF)の「特別引き出し権(SDR)」建てでは、外貨準備高はやや増加。10月末時点で2兆2700億SDRと、前月末から2984億SDR拡大している。
中国の外貨準備高は2014年6月に過去最高の3兆9932億1300万米ドルを記録した後、徐々に縮小している。海外への資本流出圧力が強まる中、15年12月には前月比で1097億米ドル減少し、過去最大の落ち込みを記録した。

【亜州IR】《ZN》

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