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中国:スマート設備製造業は毎年2割成長へ、20年に45兆円規模
*15:05JST 中国:スマート設備製造業は毎年2割成長へ、20年に45兆円規模
中国のスマート設備製造業は加速度的な拡大を示している。調査会社の中投顧問はこのほど発表したリポートで、中国スマート設備製造業の生産額が2015年に概算1兆人民元(約15兆円)に膨らんだと報告。2020年には3兆人民元(約45兆円)を超えるとの見通しを明らかにした。年間平均20%のハイピッチ成長を予想している。
人件費の上昇に伴って、生産ライン自動化への需要が拡大しているため。自動化生産設備の価格相場が手の届く水準に下がってきたことも追い風だ。企業は能力増強を考える際、自動化程度の高い生産ラインを選択する傾向にある。各地方政府が積極的に進める「機器換人」(人の仕事をロボに代替させるプロジェクト)も同産業の成長を後押ししている。
ロボに限らず、スマート製造は範囲が幅広い。情報技術やインターネット技術、スマート技術を設計・製造・管理・サービスなどの工業生産プロセスのすべてに応用できる。新たな工業モデルを創出させた。
政策面の支援も厚い。工業和信息化部(工業情報化部)は、スマート製造に特化した2025年までの長期発展計画の策定作業に入った。さらに中国政府は、スマート製造業向け投資基金の創設を検討中だ。地方レベルでは、上海、浙江、江蘇、天津、安徽、重慶、河南、遼寧、四川、北京、黒竜江省などがスマート製造支援策を導入済み。工業企業による自動化・情報化改造の多くは、現地政府が導入する補助金制度の対象に組み込まれた。
こうしたなか、中国各地で関連産業団地の整備が急ピッチに進行。3Dプリンタ、ロボット、小型無人機(ドローン)、デジタル旋盤、スマート設備などのスマート製造に特化した産業団地の数は、計画中のものを含めてすでに国内100カ所を超えた。
一方で課題も存在する。国家製造強国建設戦略咨委会はこのほど発表した「『中国製造2025』白書(2016年)」の中で同業界について、イノベーション力の弱さや企業規模の小ささを指摘。国際競争力を備える中核企業の不在に憂慮を示した。同報告によると、スマート設備製造に携わる中国メーカーのうち、スマート設備製造部門の売上比率が10%に届かない企業は52%と過半を占める。利益寄与率に至っては、10%未満の企業だけが60%の比率に達した。
【亜州IR】《ZN》
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