15年度のお稽古・習い事市場、前年度比0.3%減の1兆9699億円―スポーツ・外国語・料理は増加

2016年7月9日 22:43

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記事提供元:エコノミックニュース

矢野経済研究所では、国内のお稽古・習い事市場の調査を実施した。

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矢野経済研究所では、国内のお稽古・習い事市場の調査を実施した。調査期間は2016年4月~6月、調査対象は主要カルチャーセンター、主要フィットネスクラブ、主要通信教育事業者、その他習い事サービス提供事業者等。調査方法は同社専門研究員による直接面談、電話・e-mail によるヒアリング、ならびに文献調査。

 2015年度のお稽古・習い事市場規模は、受講料ベースで、前年度比0.3%減の1兆9,699億円であった。分野別に上位5位までをみると、「スポーツ教室」6,510億円(構成比33.0%)、「日本文化教室」(華道、茶道、書道、日本舞踊、囲碁、将棋、短歌、俳句、着付け)3,208億円(同16.3%)、「外国語教室」(通学・通信講座)3,100億円(同15.7%)、「アート教室」(絵画・彫刻、写真、陶芸、手芸、フラワーアレンジメント、ガーデニング)2,570億円(同13.0%)、「ダンス教室」(バレエ、社交ダンス、ジャズダンス・ヒップホップ他)2,220億円(同 11.3%)となった。

 少子高齢化の進行による対象人口の減少もあり、多くの分野が前年度割れとなったが、「スポーツ教室」「外国語教室」「料理教室」は前年度を上回った。「スポーツ教室」は、子供向けの教室が堅調に推移している。子供の運動能力低下を背景とした健康増進や、スポーツを通じて礼儀、協調性、社交性などを身につけることを目的とする保護者のニーズは底堅い状況にあるという。

 「外国語教室」に関しては、グローバル化の影響によりビジネス需要が拡大していることや、幼児・子供向けでは、早期英語教育需要の高まりから受講者が増加基調にある。「料理教室」は、縮小基調が続いていたが、男性の参加者が増加しているほか、インターネットの普及とスマートフォンの一般化により、多様な受講スタイルに変化してきている。SNS など口コミによる生徒集客事例も増えており、市場は微増に転じている。

 調査に関連し、2016年4月~5月に実施した消費者アンケート調査によると、首都圏や近畿圏、その他政令指定都市(熊本市を除く)に在住の20歳代~60歳代の男女で、現在お稽古・習い事を実施している人、あるいは過去1年以内に実施していた人、今後1年以内に実施予定の1,083名に対し、「インターネットの無料動画配信サービスを用いた独学によるお稽古・習い事の経験の有無」について尋ねたところ、教室等に通う代わりに複数回利用したことが「ある」と回答した人は 19.2%と約2割の回答が得られた。

 また、「ある」と回答した 208 人のうち、独学で実施した習い事の種類を尋ねたところ、「語学・外国語」が57.7%と過半以上を占めトップであった。次いで「フィットネス・スポーツ」21.6%、「音楽(楽器・唄)」17.3%と続く。「フィットネス・スポーツ」「音楽(楽器・唄)」とも、実際に体を動かしてコーチングを受ける要素が強い習い事のジャンルであると考えるが、動画を見て学ぶことでも充分と考えるユーザー層が一定数は存在するという結果が得られた。

 さらに、無料動画配信サービスを用いた独学による「お稽古・習い事」の経験がある208人に、独学を選択した理由を尋ねたところ、「教室に通う時間がない」「自分の都合に合わせて利用できる」「自分のスキルに合わせて利用できる」がそれぞれ4割前後で上位を占めた。(編集担当:慶尾六郎)

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