60代の半数以上が再出発の時と自覚

2016年7月6日 07:38

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記事提供元:エコノミックニュース

博報堂生活総合研究所が1986年から60~74歳を対象に行なってきた調査で、「あなたにとって60代とは人生のどんな時期にあたりますか」という質問に対してこの10年で大幅に伸び、半数以上の人が「再出発の時」と答えた。

博報堂生活総合研究所が1986年から60~74歳を対象に行なってきた調査で、「あなたにとって60代とは人生のどんな時期にあたりますか」という質問に対してこの10年で大幅に伸び、半数以上の人が「再出発の時」と答えた。[写真拡大]

 博報堂生活総合研究所が1986年から60~74歳を対象に行なってきた調査で、「あなたにとって60代とは人生のどんな時期にあたりますか」という質問に対してこの10年で大幅に伸び、半数以上の人が「再出発の時」と答えた。これに対して、2006年まで増加傾向にあった回答「解放の時期」が減少に転じている。また、「あなたは何歳まで生きたいと思いますか?」という質問では平均84歳となり、これはこの30年で4歳伸びている。気持ち年齢では実年齢との差が-14歳。体力年齢や見た目年齢にでは、それぞれ実年齢-7歳、-5歳となった。この結果から60歳以上の人の気持ちや体力、見た目の若年化傾向がうかがえる。リタイア後にも気持ちや体力が若いことから、まだまだ新たなステージを楽しむ意識を持つ人が多いと考えられる。

 これを裏付ける調査結果としては、内閣府が14年に60歳以上を対象に行った調査がある。これによれば「高齢者とは何歳以上か」という質問に対して70歳以上が29.1%で15年前の調査からの大幅な減少傾向があるのに対し、75歳以上で27.9%、80歳以上で18.4%と増加傾向にあった。興味深いのは「年齢では判断できない」とした人が全体の10.4%と前回(5年前)の調査での結果4.5%に比べても割合が急増していることである。体力年齢や見た目年齢、気持ちの年齢はライフスタイルの多様化とともに個人差が大きくなってきていると考えられる。

 様々な日常生活情報に対しての関心の高さがうかがえ、欲しい日常生活情報に関しては、前回までの調査では「特にない」が半数以上だったのが19.0%と大幅に減少し、それぞれの項目が軒並み増加している。最も高い項目は「健康づくり」で41.1%、次いで「年金」(30.3%)「医療」(26.0%)「趣味、スポーツ活動、旅行、レジャー」(22.6%)と続き、いずれも前回に比べて急増している。今後取り組んでみたい活動では、「仲間と集まったり、おしゃべりをすることや親しい友人、同じ趣味の人との交際」が39.1%と15.9ポイントの大幅な上昇が見られた。また、衣類に関する調査で、おしゃれへの関心度についてはおしゃれをしたい人の割合が69%と、前回調査より8.8ポイントの上昇となっている。

 積極的な社会参加の高年齢化はこの先も続くと考えられる。少子高齢化に加えてこうした高齢者の社会参加への意欲の高さが、高齢者向け市場の拡大を下支えしていると考えられる。(編集担当:久保田雄城)

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