「パナマ文書」に習主席親族の名前、中国は報道規制

2016年4月6日 14:01

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記事提供元:フィスコ


*14:01JST 「パナマ文書」に習主席親族の名前、中国は報道規制
パナマの法律事務所から内部文書、いわゆる「パナマ文書」が流出し、各国の政治家や著名人がタックスヘイブン(租税回避地)を利用した資産隠しを行っている可能性が明るみになった。5日には、資産隠しを指摘されたアイスランドのグンロイグソン首相が辞任するなど、各地に波紋が広がっている。ただ中国の多くのメディアは、この問題を報じていない。タックスヘイブンの利用者として、習近平・国家主席の親族の名前が挙がったことから、報道規制がかけられているようだ。インターネット上で「パナマ文書」を検索しても、検索結果が表示されない状況という。米系メディアなどが伝えた。
中国外交部の報道官は5日の定例記者会見で、同問題に関する外国人記者の質問に対し、「こうした“雲をつかむ”ような類のものにはコメントしない」とのみ発言した。また、中国共産党系メディアの「環球時報」は社説のなかで、「非西側世界をたたく新たな手段」と非難している。
今回流出した内部文書には、習主席の親族のほか、プーチン露大統領の側近、ウクライナのポロシェンコ大統領、サッカー・FCバルセロナ所属のメッシ選手、俳優のジャッキー・チェン氏などの名前があったとされる。国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)が流出した内部文書をもとに調査し、判明した。
ICIJの調査によると、HSBCやUBSといった国際的な金融機関も顧客のために、資産隠しや租税回避などを目的としたペーパーカンパニーの設立を支援していたとされる。タックスヘイブンを利用した金融取引そのものに違法性はなく、同文書でも現時点で違法な取引などは確認されていないというが、資金洗浄(マネーロンダリング)などに利用される例も多い。すでに各国の当局が調査を開始したと報じられている。
中国共産党総書記に任命された2012年11月15日以降、習氏は政府官僚に対して質素・倹約を求める一連の緊縮措置を通達した。「官のぜいたく禁止」や「反腐敗運動」などを力強く推進してきている。
1953年6月に北京で出生(出身は陝西省富平)。マルクス主義理論・思想政治教育を専攻し、清華大学の人文社会学院を卒業。2000年から福建省長、2007年から上海市党委員会書記・党中央政治局常務委員・中央党校校長を務めた。2008年に国家副主席に選出され、2013年3月に国家主席に正式就任している。

【亜州IR】《ZN》

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