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NYの視点:米3月雇用統計は引き続き堅調な労働市場を示唆、6月の利上げは依然可能か
*07:11JST NYの視点:米3月雇用統計は引き続き堅調な労働市場を示唆、6月の利上げは依然可能か
米国民間部門の雇用統計となるADP雇用報告の3月分は20万人増と、2ヶ月連続で20万人台を維持した。この統計は、米国労働省が発表する雇用統計と相関関係が最も高いとして先行指標の中でも注目度が高い。民間部門雇用の順調な増加で、3月の雇用統計も米国の労働市場が順調な拡大を継続している新たな証拠になるとみられている。また、減少を続けていた製造業の雇用も回復基調にある。ただ、早期の利上げ観測が再燃するのは困難とみられる。
イエレンFRB議長は29日の講演で、世界経済の弱さが見通しに影響するため、追加利上げに関して「慎重姿勢が特に正当化される(ESPECIALLY WARRANTED)」、利上げペースも「Greater gradualism(最大の漸進主義で)」と、一段と慎重な姿勢が必要であることを強調した。
一方、連邦公開市場委員会(FOMC)の17メンバーのうち依然、ほぼ半数が利上げの軌道に変更はなく、4月FOMCでの追加利上げも選択肢となるとの見方を示している。イエレンFRB議長のNY講演後、通常ハト派として知られるシカゴ連銀のエバンス総裁も「良好な米国の労働市場を受けて、6月に利上げする可能性がある」との見解を示した。
ただ、イエレン議長は、労働市場に関し「順調に拡大している」との判断ながら、「依然たるみが見られる」と指摘。不完全失業率が依然高止まりしていることを強調した。議長は米国の雇用統計が良好な結果を示すことは織り込み済みで、利上げに慎重な方針をくずす気配はない。ドルの上昇も限定的にとどまる可能性がある。
■3月雇用統計の先行指標
・米ADP全米雇用報告:+20.0万人(予想:+19.5万人、2月:+20.5万人←+21.4万人)
・NY連銀製造業景況指数
雇用
雇用:-1.98(2月 -0.99)
週平均就業時間:1.98(2月-5.94)
6か月予想
雇用:12.87(2月16.83)
週平均就業時間:4.95(2月0)
・フィラデルフィア連銀製造業景況指数
現状
雇用:−1.1(2月-5.0、6か月平均-1.3)
週平均就業時間:5.7(2月-12.9、6か月平均−5.1)
6か月先
雇用:6.3(2月2.3、6か月平均9.8)
週平均就業時間:9.2(2月-12.5、6か月平均2.6)
・リッチモンド連銀製造業景況指数
現状
雇用:11(2月9)
週平均就業時間:16(2月5)
賃金::20(2月10)
6か月先
雇用:19(2月19)
週平均就業時間:10(2月5)
賃金:24(2月23)
・消費者信頼感指数
雇用(現状)
十分:25.4(2月22.8)
不十分:48.0(2月53.6)
困難:26.6(2月23.6)
雇用(6か月先予想)
増加:12.9(2月12.2)
減少:16.3(2月17.7)
不変:70.8(2月70.1)
・失業保険申請件数
件数 前週比 4週平均 継続受給者数
03/19 265,000 +6,000 259,750 n/a
03/12 259,000 +6,000 259,500 2,179,000
03/05 253,000 -9,000 259,750 2,218,000
02/27 262,000 -2,000 261,250 2,198,000
02/20 264,000 +4,000 267,250 2,231,000
02/13 260,000 +1,000 270,000 2,233,000
02/06 259,000 -27,000 277,750 2,249,000
■市場予想
失業率:4.9%(2月4.90%)
非農業部門雇用者数:前月比+21万人(2月+24.2万人)
民間部門雇用者数:前月比+19万人(2月23万人)《NO》
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