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企業版マイナンバーの公表 東京都港区が9万4,230法人で全国トップ
2015年10月から国税庁による法人番号の公表制度が段階的にスタートした。東京商工リサーチでは全国の法人番号が付与された429万法人について分析した。これによると、株式会社と有限会社が全体の8割を占め、市区町村別では東京都港区が9万4,230法人で全国トップだったという。
ただ、東名阪の大都市だけでなく、各都道府県でも県庁所在地に法人が集中する傾向が強く、法人数でも地域格差が拡大している実態が改めて浮き彫りになったとしている。
法人種別では、最多が株式会社の190万5,023法人(構成比44.4%)だった。次いで、有限会社が169万3,061法人(同39.4%)で、合わせて8割以上を占めた。有限会社は2006年5月の会社法施行で有限会社法が廃止され新設は不可能となったが、まだ全体の約4割を占めている。
一方、最少は国の機関で842法人(同0.02%)にとどまった。この他、外国会社等4,400法人(同0.1%)、登記を行わない健康保険組合や企業年金基金等が含まれる「その他」4,721法人(同0.1%)、地方公共団体7,363法人(同0.1%)は、それぞれ1万法人を割り込んだ。地方公共団体の中には、特別地方公共団体の法人格を持つ「財産区」3,824法人が過半数を占めたとしている。
また、会社法施行で設立が可能となった合同会社は9万6,453法人(同2.2%)で、設立コストが低く、決算公告の義務が無い点や株主総会を開かず意思決定が可能などの利便性が評価され、現地法人などを中心に急増しているという。
地区別では、最多は関東で185万6,021法人(構成比43.2%)と全体の4割を占めた。次いで、近畿が66万8,798法人(同15.5%)、中部が48万4,041法人(同11.2%)で、この3地区で全体の7割(70.1%)を占めた。この他、九州が42万1,263法人(同9.8%)、東北が24万893法人(同5.6%)の順。「九州は全国の1割経済」と称されるが、法人数でも全国の1割だった。
一方、四国(同2.8%)と北陸(同2.1%)は2%台にとどまり、大企業が集中する東京、名古屋、大阪の大都市圏との格差が際立つ格好となったとしている。
都道府県別は、最多は東京都の91万8,538法人(構成比21.4%)で全体の2割を占めた。2位は大阪府の34万1,497法人(同7.9%)で、東京都との差は2.6倍だった。大阪府を含む近畿2府4県合計でも東京都との差は約1.4倍あり、経済の「東京一極集中」を裏付けた格好となった。
次いで、神奈川県27万6,555法人(同6.4%)、愛知県21万3,041法人(同4.9%)、埼玉県19万7,916法人(同4.6%)の順。法人数が10万法人を超えたのは静岡県(同2.3%)までの10都道府県だった。一方で、鳥取県(1万6,500法人)、島根県(1万9,351法人)、佐賀県(1万9,424法人)の下位3県は法人数が2万を割り込み、都市部と地方の格差が鮮明となったとしている。
国税庁によると、法人番号は行政を効率化し、国民の利便性を高め、公平・公正な社会を実現する社会基盤としての役割と新たな価値の創出を目的としているという。行政側のメリットとしては、課税徴収や許認可などの業務効率化を期待している。一方、企業側は行政手続きの簡素化だけでなく、取引先情報を社内の取引先コードや法人番号、信用調査機関の企業コードで結んで一元管理することにより、取引限度額の見直しや、新規取引先の開拓などにも活用の幅が広がるだろうとしている。(編集担当:慶尾六郎)
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