東京モーターショーよりも1日の動員数が多い自動車イベント、「東京オートサロン」の人気の秘密

2016年1月16日 20:40

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記事提供元:エコノミックニュース

1月15日、午前9時に開幕した「東京オートサロン2016」、写真はトヨタやスバルなどがブースを構える東8ホール

1月15日、午前9時に開幕した「東京オートサロン2016」、写真はトヨタやスバルなどがブースを構える東8ホール[写真拡大]

 年明け新年の自動車ショーとして歴史ある「北米オートショー2016」が、1月11日から米デトロイトで開催されている。一方、日本でも新年の自動車イベントとして恒例となった「東京オートサロン2016」が、15日から千葉・幕張メッセで開幕した。

 東京オートサロンは、1963年に東京・晴海の東京国際見本市会場で第1回「東京エキサイティングカーショー」として開催されたのがこのイベントの前身だ。その後、毎年開催され1987年に「東京オートサロン」に改名。1997年の第15回から有明の東京ビッグサイトに、さらに1999年の第17回から幕張メッセに会場を移し、今回で第34回の開催となった。

 このイベント、開催当初から1990年代中ごろまでは、基本となるメーカー車両に対して改造を施したクルマのショー(なかには違法改造車も展示されたこともある)ということで、暴走族の族車の集まりというイメージが強く、ヤンキーが集うアウトロー的な自動車ショーという認識が強かった。

 しかし近年、自動車メーカーや正規ディーラーでもサスペンション・チューニングなどを行ない、モータースポーツへ力を入れている。大手メーカー直系のチューニング&ドレスアップ専業会社を設立してユーザーのニーズを探っている。国内メーカーをみても、TRD/モデリスタ(トヨタ)、ニスモ/オーテックジャパン(日産)、無限(ホンダ)、マツダスピード(マツダ)、STI(富士重工業)、Dスポーツ(ダイハツ)、スズキスポーツ(スズキ)等の関連会社展開によりチューニングカーやカスタマイズカー、ドレスアップカーへの動きが活発化している。自動車ユーザーも個性化や性能向上への意識が強まり「東京オートサロン」への関心が強まっていった。

 毎年、1月中旬に毎年3日間の開催とされる東京オートサロンの来場者数は、2011年24万3000人、2012年25万5000人、2013年28万2000人、2014年には29万6000人、そして昨年は30万9000人と毎年増加し、遂に30万人を突破する記録を作った。こうした傾向を受けて、当初懐疑的であった大手自動車メーカーも、近年では国内市場のトレンドを探る目的でカスタムカーやコンセプトカー、市販車のドレスアップカーなどを積極的に出展するようになった。

 今回の「東京オートサロン2016」は、1月15日から17日の3日間、幕張メッセのすべての施設を使って開催する。出展内容は、チューニング/ドレスアップ製品、カスタムカー、コンプリートカー、市販車両、自動車関連製品、自動車関連グッズなどにおよぶ。

 国内自動車メーカーからトヨタ、ホンダ、日産、マツダ、スズキ、富士重、ダイハツ、三菱自動車、日野の9社が出展し、輸入車はメルセデス・ベンツ、フォルクスワーゲン(VW)、BMW、アウディ、ルノー、エルシーアイ(ロータス)となった。今回のVWは初出展となる。出展者447社、出展車両数880台、ブース総数4265小間と、過去最高の出展規模だ。

 クルマの作り手とユーザーが濃密な時間を共有し、さまざまな意味で“とにかく、クルマを愉しむ”ことに主眼をおいた自動車イベントとして「東京オートサロン」が定着したと言えるのかもしれない。(編集担当:吉田恒)

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