JCB、手のひらの静脈認証を用いたカード決済の実証実験を実施

2015年10月8日 11:29

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手のひらを認証に利用したカード決済の仕組みのイメージ(写真:ジェーシービー発表資料より)

手のひらを認証に利用したカード決済の仕組みのイメージ(写真:ジェーシービー発表資料より)[写真拡大]

 ジェーシービーは7日、静脈認証技術を用いたカードを使用した決済スキームの実証実験を、10月に実施すると発表した。実証実験は、国外で開催される同社のパートナー企業向けのカンファレンスの場で行われる。

 同社によると、今回の決済スキームは、世界最高レベルの認証精度と耐偽造性能のある富士通の静脈認証技術とJCBのネットワークを融合させて実現しているという。あらかじめ手のひらの情報をカード情報へひも付けし、決済を可能とする安全・簡単・便利な決済スキームある。手のひらの情報を複数のカードにひも付けができるので、ひも付けされたカードであれば持ち歩く必要がなくなるメリットもある。

 指紋などの生体情報のなかで、静脈は「体内情報」であるため、「体表情報」である指紋と比べ偽造が極めて困難である。また手がぬれたり、乾燥している状態でも影響をほとんど受けず認証ができる。また、手のひらは血管の本数が多く複雑であるため高精度な認証、および幹線となる太い血管により安定した認証の両方が実現できる。

 その認証精度は、他人と間違える可能性が125万回に1回以下という確率だという。このため、銀行のATMやセキュリティエリアの入退室管理など、手のひら静脈認証技術は世界約60カ国、6,300万人以上の利用実績(2015年3月現在)があるという。(記事:阪木朱玲・記事一覧を見る

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