東北大、太ると中性脂肪が上がるメカニズムを明らかに

2015年8月20日 11:55

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脳を介した血中の中性脂肪の分解を抑えるシステム (東北大学の発表資料より)

脳を介した血中の中性脂肪の分解を抑えるシステム (東北大学の発表資料より)[写真拡大]

 東北大学の片桐秀樹教授、宇野健司助教らのグループは、太っていくにつれて中性脂肪が高くなるメカニズムを解明した。

 血中の中性脂肪が高値を示すとともに、肝臓でのアミノ酸量が増えていることが知られている。また、本研究グループは、全身の糖代謝やエネルギー代謝の調節に、脳が制御する自律神経系のメカニズムが重要であることを発見し、糖尿病や肥満の発症機序の解明を進めてきた。

 今回の研究では、肥満させずに肝臓へのアミノ酸流入だけを増加させたマウスを用いて、全身の代謝にどのような変化が生じるかを検討したところ、肥満の時のように血中の中性脂肪が高値となることを明らかにした。

 また、そのメカニズムとして、肝臓でのアミノ酸が増加した情報が、 自律神経を通じて脳に伝わり、脳から神経を通じて血中の中性脂肪の分解を抑える指令が発せられるというシステムを発見した。

 今後は、本研究成果が、メタボリックシンドロームの主病態の一つである血中中性脂肪高値に新たな治療法をもたらすと期待されている。

 なお、この内容は「Nature Communications」に掲載された。論文タイトルは、「A hepatic amino acid/mTOR/S6K-dependent signalling pathway modulates systemic lipid metabolism via neuronal signals」(肝でのアミノ酸/ mTOR/S6K経路は神経シグナルを介して全身での脂質代謝を調節する)。 

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