関連記事
パナソニック、住宅関連の不振により営業益減益
国内の住宅関連部門の不振が響いて、パナソニックが発表した2015年4~6月期の営業利益は前年同期比7%ダウンの765億円という結果であった。住宅関連事業以外にも、テレビ事業や太陽光発電などを手がけるエコソリューション部門などの売上も低迷し、業績全体の足を引っ張る形となった。さらにはテレビ事業、エコソリューション部門ともに、円安の影響を受けて減益幅が拡大した。
パナソニックは29日、15年4~6月期の連結決算を発表。それによれば、売上高は前年同期比0.3%アップの1兆8578億円である、営業利益は前年同期比7%ダウンの765億円、純利益は前年同期比57%アップの595億円であった。売上高は、テレビ事業の不振により足を引っ張られたものの、映像事業や車載機器事業の伸長により微増をはたした。営業利益は国内の住宅関連事業の不振、さらにはテレビ事業やエコソリューソン部門が不振であった上に、円安の影響を受けたことにより減益幅が拡大した。純利益は家庭用ヒートポンプ給湯器「エコキュート」のリコール費用が一巡したほか、金融収支が改善したことや、繰り延べ税金資産の評価替えなどが影響して大幅に増加した。
住宅市場の不況により、内装建材やシステムキッチンを扱う住宅関連事業は前年同期比10%ダウン。太陽電池などのエナジーシステム事業も前年同期比8%ダウンとなった。さらに住宅販売子会社のパナホーム<1924>も前年同期比7%ダウンという結果であった。
不振が長期化しているテレビ事業については、販売の絞り込みや価格の下落などの要因により、前年同期の10億円黒字から30億円の赤字に転落。しかし夏以降に本格化する販売により増販が期待できること、また固定費削減の効果が期待できることなどのより、パナソニックは引き続き同事業の黒字化に取り組むとしている。
パナソニックは19年3月期に売上高を10兆円にまで高める目標を掲げており、15年度からの4年間で計1兆円の戦略投資を計画している。その計画の初年度ともいえる15年度だが、今回の結果をみる限り決して「幸先のよいスタート」とは言えないだろう。
16年3月期通期の業績予想については、売上高は前期比4%アップの8兆円、営業利益は13%アップの4300億円、純利益は微増の1800億円と従来の予想を据え置いている。(編集担当:滝川幸平)
■関連記事
・NTTドコモが5G実験を拡大 インテル、パナソニックら5社と提携へ
・パソコンメーカーのサポートサービス “ワースト1位”は「Lenovo」
・脚光浴びる再生医療の周辺産業。異業種から相次ぐ参入
・パナソニックとJTBが観光分野でタッグ
・パナと富士通、高齢者の居住空間向け見守りサービスの共同実証を開始
※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
スポンサードリンク