日立と三井不動産、非常用発電機の電力を利用する電力供給自動制御システム

2015年7月15日 19:32

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防災用電力の利用 (概念図) (日立製作所の発表資料より)

防災用電力の利用 (概念図) (日立製作所の発表資料より)[写真拡大]

  • 電力供給自動制御システムの構成 (BCP対応時) (日立製作所の発表資料より)

 日立製作所とは15日、停電時の非常用発電機の余剰電力(防災用電力)を企業などが入居する執務空間にまで供給可能にする電力供給自動制御システム「TRAMSBOARD(トラムスボード)」を共同企画し、日立の製品として販売開始したと発表した。

 このシステムは、監視制御装置と、電力幹線に設置する制御ユニット搭載の新設分電盤で構成される。監視制御装置が建物の停電発生状況、非常用発電機の稼動状況、火災発生状況などの各信号から「通常時」「停電時」「BCP対応時」などの運転モードを選定し、分電盤の制御ユニットへモード信号を送信する自動制御を行う。制御ユニットは受信したモード信号に応じて、限られた余剰電力を複数の分電盤へ等配分、あるいは防災対策室など必要なところへ効率的に分配する。

 また、専用の電力幹線の設置が不要で、商用電力で使われている電力幹線を利用できることから、従来の方式と比べて、既存建物の場合は約1/2の導入コストと工期でシステムを構築できる。

 導入により、火災を伴わない停電時には、非常用発電機の防災用電力を入居企業や入居店舗の専有部、および防災対策室などに供給し、建物および企業のBCP対策強化が可能になるという。

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