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新入社員「“転職”はキャリアアップよりも挫折のイメージ」過去最高の4割
新人たちも、そろそろ仕事に慣れてきた頃だろうか。[写真拡大]
新人たちも、そろそろ仕事に慣れてきた頃だろうか。社会人人生で初のボーナスも支給され、新たなやりがいをもって働く新人も増えていることだろう。産業能率大学が実施した「2015年度新入社員の会社生活調査」によると、今年の新入社員たちは、就職活動の結果について94%が「満足している」と回答。2013年度(94.6%)に次いで高い水準となった(「たいへん満足」54.7%、「やや満足」39.3%の合計)。
「満足」派の割合を10年単位で見ると、1995年度の77.6%から、2005年度の88.2%、2015年度は94%と、長期的に上昇傾向にある。そんな背景もあるのか、新入社員に「“転職”から受けるイメージ」について聞いたところ、「キャリアアップ」が61.5%で多数派となったものの、「挫折」との回答が過去最高(38.5%)となった。
調査は、今年3月26日から4月14日まで、産能マネジメントスクールが開催する「新入社員研修セミナー」に参加した新入社員のうち、155社660人を対象に書面アンケートで実施。638人(男性439人・女性199人)から回答を得た。男性が約7割を占めているため、回答に偏りがある可能性もあるが、おおまかな目安にはなる。
「転職」について「挫折」と捉える新人の割合をみると、2000年度には約25%だったのが、03年度には20.6%にまで低下。転職は挫折ではなく、キャリアアップと考える新人が増えていた。その後は再び「挫折」と捉える新人が増え、10年度には35%を超えて過去最高に。翌年の11年度には再び減ったものの、ここ数年で「転職は挫折」イメージが徐々に増加。
今年は38.5%の新入社員が“転職”から受けるイメージを「挫折」と回答し、過去最高に達した。理由はよく分からないが、過去15年間の長期推移をみると、「転職はキャリアアップというより挫折」と考える新人は確実に増加している。もちろん、いつの年度も「転職=キャリアアップ」との回答が多数派だが、「挫折」と考える新人が増えているのは事実だ。若者たちの「終身雇用志向、安定志向」が関係しているのかもしれない。
ちなみに「35歳時点での理想の年収」について尋ねたところ、男性は600万円台(36.9%)、女性は400万円台(48.8%)が最多だった。(編集担当:北条かや)
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