GSユアサ、トルコのバッテリー大手に出資

2015年6月23日 08:04

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記事提供元:エコノミックニュース

ジーエス・ユアサコーポレーションは6月10日、トルコのバッテリー大手インヂ・アク・サナイ・ヴェ・テヂャーレット(Inci)と、同社の株式の50%を取得することで合意したと発表した。

ジーエス・ユアサコーポレーションは6月10日、トルコのバッテリー大手インヂ・アク・サナイ・ヴェ・テヂャーレット(Inci)と、同社の株式の50%を取得することで合意したと発表した。[写真拡大]

 ジーエス・ユアサコーポレーション<6674>(以下、GSユアサ)は6月10日、トルコのバッテリー大手インヂ・アク・サナイ・ヴェ・テヂャーレット(Inci)と、同社の株式の50%を取得することで合意したと発表した。

 GSユアサは、鉛蓄電池市場の成長が期待されるトルコ国内での販売拡大を図るとともに、欧州、アジア、中東、北アフリカなどの地域への輸出拡大を目指す。

 1984年に同国マニサ県で設立されたInciは、自動車用、フォークリフト用などの鉛蓄電池の製造、販売でトルコ第2位のメーカー。その地理的優位性を活かし、近隣諸国をはじめ、世界80カ国以上へ輸出している。

 鉛蓄電池の世界市場で、GSユアサはジョンソンコントロールズ、エキサイドの米大手2社に続く3位につけている。同社は、中期経営計画において「海外成長市場を基軸としたグローバル展開」を重要戦略課題と掲げており、アジアでの製造販売を強化している。

 中国では、自動車用の生産量を2012年の年550万個から18年に1200万個まで引き上げる計画を打ち出している。さらに、天津市内で新工場を建設する計画。インドネシアでは、昨年スマランに新工場を建設、さらに年内にはタンゲラン工場に二輪車用の組立ラインを増設する。マレーシアでは、5月に自動車用と二輪車用の鉛蓄電池を製造販売する合弁会社を連結子会社化した。

 同社は、こうしたアジア各国での事業展開強化とともに、今回のInciへの資本参加によって、中東などの市場開拓を急ぎ、米国のジョンソンコントロールズなどを追撃し、世界シェア10%確保を目指している。世界の鉛蓄電池市場での競争が、さらに激化しそうだ。(編集担当:久保田雄城)

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