震災後2年目も沿岸部では高い抑うつ傾向―復興目的の健康調査で

2015年6月12日 23:32

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心不全の指標NT-pro BNPの年齢調整有病率。沿岸部と内陸部を比較して統計学的に有意な差は認められなかった。(東北大学の発表資料より)

心不全の指標NT-pro BNPの年齢調整有病率。沿岸部と内陸部を比較して統計学的に有意な差は認められなかった。(東北大学の発表資料より)[写真拡大]

 東北大学東北メディカル・メガバンク機構は、宮城県の沿岸部の住民は、内陸部の住民と比べて抑うつ症状の有病率が高いことを明らかにした。

 東北メディカル・メガバンク計画は、東日本大震災の復興事業として計画されたもので、東北大学や岩手医科大学が事業主体となり、15万人の参加を目標とした長期健康調査を実施している。

 今回の研究では、宮城県での地域住民コホート調査参加者のうち、平成25年度(2013年5月20日~2014年3月1日)に特定健診会場で協力した約7千人分について分析した。その結果、県内全体で28%の調査参加者に抑うつ症状がみられ、4%でPTSR(心的外傷後ストレス反応)の疑いがもたれることが分かった。また、調査参加者のうち、沿岸部の住民は内陸部の住民と比べて、これらの有病率が高い傾向がみられることも明らかになった。

 東北メディカル・メガバンク機構は今後、調査結果の分析をさらに進め、震災後の住民の心身の健康に影響を与えている身体的・心理的・社会的な要因を明らかにし、支援や復興策の充実に結びつけていきたいとしている。

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