米政府、中国のゲノム編集による受精卵改変に反対

2015年6月1日 17:27

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記事提供元:スラド

あるAnonymous Coward 曰く、 ホワイトハウスが受精卵改変に反対するという声明を発表した(毎日新聞apitalnatureダイジェスト)。

 ホワイトハウスは「将来世代への影響が不透明で、現時点では越えてはいけない一線だ」と主張している。遺伝子改変をめぐっては中国の研究チームが4月、ヒトの受精卵で試みたとの論文を発表して専門家らに衝撃を与えた。これほど騒ぎになったのは、長年科学界が守ってきた研究倫理が脅かされているからだという。

 ここ数年でゲノム編集の手軽さや効率は飛躍的に向上し、急速に普及。世界中の研究室で実験用の遺伝子改変マウスづくりなどに使われているほか、畜産や農業分野でも応用研究が進んでいるという。

 科学技術担当のホルドレン大統領補佐官は声明で、改変された遺伝子が何世代もかけて子孫に広まる可能性があると指摘。「人類の遺伝子改変につながる重大で差し迫った懸念を招く。一つの国で取られた選択によって私たち全員に影響が及ぶ恐れがある」と強調しているが、相手が中国であることを考えると、こうした声明がどれくらいの効果を出すかは分からない。

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