「本当に安全なオンライン投票システム」の実現は難しい

2015年5月20日 10:00

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記事提供元:スラド

taraiok 曰く、 投票率低下を改善するための手法としてインターネットを経由したオンライン投票を可能にすべきだという考えがある。しかし、本当に安全なオンライン投票を実現するのは非常に困難だという(THE CONVERSATIONSlashdot)。

 特に難しいのは、管理者などの第3者がチェックでき、かつ有権者が自分の投票が有効化されたことを確認できるようなエンドツーエンドの検証可能性の実現が難しいのだという。すでにエストニアでインターネット投票の実験が行われているが、エンドツーエンドの検証可能性はサポートされていない。

 従来の選挙システムを電子化する形でエンドツーエンドの検証可能性をサポートしているシステムもあるが、どこからでも投票できるというオンライン投票のメリット、投票率の向上を阻害するものとなっている。オンライン投票の別の問題としては、有権者のコンピュータのマルウェア感染の可能性がある。一説によれば30~40%もの家庭用コンピューターがマルウェアに感染されているとされており、悪意のある攻撃者のマルウェアによって選挙結果を変えられてしまう可能性もある。

 この種の攻撃を阻止する方法としては、有権者の投票を一つのPCで行うのではなく、複数のPCに渡って処理させるというアイデアがある。利便性は落ちるが、複数のPCを同時に攻撃することは難しいためリスクを減らせるという。

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