三菱ケミカルグループ、再生医療参入でベンチャーを子会社に

2015年5月15日 12:33

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 三菱ケミカルホールディングスグループの生命科学インスティテュート(以下「LSII」)は14日、再生医療分野への参入のために、Muse細胞を利用した再生医療開発企業のClioの全株式を取得し、連結子会社とすることを発表した。

 Clioは、2009年に設立された、Muse細胞に関する独占的使用権をもつベンチャー企業で、現在Muse細胞を用いた再生医療製品の臨床応用に向けた研究開発を実施している。

 Muse細胞は、2009年に東北大学の出澤真理教授らのグループに発見された多能性幹細胞。三胚葉性の分化能を示す多能性を有する一方、もともと生体内の間葉系組織内に存在する自然の幹細胞であるため、腫瘍化の懸念が低いなど安全性にも優れる有望な幹細胞とされる。

 これまで実施された試験の結果、心筋梗塞など組織に傷害を負った動物の静脈内にMuse細胞を投与すると、組織を構成する細胞に自発的に分化することによって失われた細胞を補充し、機能回復効果を発揮することが確認されている。

 今後はヒトMuse細胞製剤を用いた臨床試験を計画しており、従来有効な治療法のなかった疾患領域に新たな治療法を提供できるものと期待されている。

 LSIIは、再生医療事業を核に、グループ各社の技術を応用して周辺事業への展開も検討していくとしている。(記事:阪木朱玲・記事一覧を見る

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