NICT、フィリピン情報通信技術局にTVホワイトスペース利用技術を提供

2015年5月7日 18:42

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フィリピンのTV放送情報を用いたホワイトスペースデータベースの例
(情報通信研究機構の発表資料より)

フィリピンのTV放送情報を用いたホワイトスペースデータベースの例 (情報通信研究機構の発表資料より) [写真拡大]

 情報通信研究機構(NICT)は7日、フィリピン科学技術省情報通信技術局(ICTO)とTV放送帯ホワイトスペースデータベースの有効利用に必要な周波数管理技術を提供するための契約を締結したと発表した。ICTOは、今後、フィリピンの公共施設全域にWi-Fiによる無料インターネット接続のためのインフラを展開するFree Wi-Fi Projectを推進し、NICTが開発したTV放送帯ホワイトスペース技術を利用する予定である。

 ICTOでは、フィリピン全域の公共スペースなどにおいて、無料のWi-Fiインターネット接続を提供するインフラ整備を計画している。ICTOは、Free Wi-Fi Projectに活用できる技術の一つとしてTV放送帯のホワイトスペースに注目し、特にインターネット接続を十分に提供できていない地域への利用可能性について検討している。

 一方で、NICTは、データベースをTVホワイトスペース利用に必要な技術の一つと位置付け、その技術的評価を行う目的で、米国や英国を含む世界各国の基準を満たすデータベースの開発を行い、実証試験を重ねてきた。ICTOからの要請に基づき、このFree Wi-Fi ProjectにおいてTVホワイトスペースを利用するために必要なデータベース技術を提供することを目指し、覚書を締結して協議を重ねてきた。

 このデータベースには、ICTOが提供するフィリピンのすべてのTV放送送信所の情報が入力されており、地形情報に基づき放送エリアを計算し、指定した地点において通信に利用が可能なチャネルの一覧を作成することができる。

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