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積水ハウス、埼玉県と共同で “子育て共助のまち”普及モデルを開発
「コモンライフ武蔵藤沢駅前」の見守り世帯向け住宅「ひとえんラボ」。リビングダイニングは子どもたちが遊ぶ「ひとえんコモン」に面している。コモンはアスファルト舗装ではなくインターロッキングで区別している[写真拡大]
4月9日(木)、積水ハウスは埼玉県が実施する「子育て共助のまち普及モデル事業」の事業者として選定され開発した分譲地「コモンライフ武蔵藤沢駅前」(埼玉県入間市)を報道陣に公開した。埼玉県が実施する旧県営入間下藤沢団地跡地の再開発事業として「子育ての共助の街づくり」をコンセプトに、一昨年10月に埼玉県が公募。コンペで積水ハウスの提案が評価され今回に実施につながった。団地跡地における「コミュニティ単位で子育て共助を行うための街区の整備と仕組みを創出する」埼玉県として初の試みとなるモデル事業である。
場所は西武池袋線「武蔵藤沢駅」徒歩4分の好立地。1957年に24戸の県営平屋住宅団地が建設され、1986年に住宅を撤去し、更地となっていた。
積水ハウスは、かつて日本では親、祖父母、兄弟という「血縁」のなかで育ち、「地縁」で結ばれた地域の共同体が街ぐるみで子供たちを見守ってきた。自然なセーフティネットが築かれていた。しかし、核家族化進行のなかで、そうした「地縁」が希薄になったと分析。そこで同社は、県・都市整備部の「元気のある街には、3人の子供が元気に育つ家庭が理想」としたことを受けて、「地縁」「血縁」に加えて知人友人そして社会とつながる「知縁」の3つの縁が街でつながるコミュニティ「ひとえん」を構築する街区をつくるという提案を行ない、今回の発表となった。
敷地には16棟の戸建てが建設され、近隣住民のコミュニケーションの場として、街区中央に見守りひろばであり“コドモのイドコロ”でもある「ひとえんコモン」を配置。そこで近隣住民が言葉を交わし、子供たちが遊び、その「ひとえんコモン」の西に隣接した敷地にモデルハウスとしても機能する見守り世帯向け住宅「ひとえんラボ」をレイアウトした。「ひとえんコモン」の周囲は高齢者向け住宅を建設することで、コモンで遊ぶ子供を見守り、自然な交流が生まれやすい環境としたい考えだ。
この「ひとえんラボ」は半年間公開され、その間、入間市のNPO法人「子育て家庭支援センター“あいくる”」による出張子育てひろばを開催するほか、イベントなどにも活用する。
ソーラーパネルの設置を必須とし、道路との敷地境界線フェンスは80㎝以上セットバックする。また、敷地内に同社が推奨する日本の自生種・在来種を中心とした庭づくり「5本の樹」計画に沿って樹木を植えるなどの条件を設けることで、環境への配慮と緑豊かなまち並みを実現する。
今回の「コモンライフ武蔵藤沢駅前」は、子育て世帯と高齢者世帯の住宅配置の工夫や地域との連携による普及啓発の取り組みが評価され、国土交通省の平成26年度の「スマートウェルネス住宅等推進モデル事業」にも採択されている。(編集担当:吉田恒)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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