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ドコモ、圏外でも情報伝達可能な技術を公開
東日本大震災から4周年を迎えようとしていた3月10日、NTTドコモ<9437>は災害発生時など携帯電話の通信ネットワークが機能しなくなった場合に、異なるOS(基本ソフト)のスマートフォン(多機能携帯電話)同士でも安否情報の伝達を可能とする技術を開発したとの発表を行った。この技術により、災害時に停電などで携帯電話ネットワークが使えない場合でも、自分の安否情報を近くのスマートフォンを経由し、携帯電話ネットワークがつながる場所のスマートフォンまで伝達し、災害用伝言板に登録することが可能になるという。3月中にソフトウェア開発キットを企業向けに公開し、アプリ(実行ソフト)の開発を促す。
今回NTTドコモが開発した技術は、スマートフォンの多くに搭載されているブルートゥースの省エネ版が活用されており、音声やパケット通信などの携帯電話ネットワークを介さなくても、スマートフォンに搭載されているブルートゥースを使って周辺の対応スマートフォンを探索し、直接相手の端末に安否情報を伝達することができる。通信距離は20メートルまでで、通信可能な人数は最大6人となっている。また対応するOSは米アップルの「iOS」と米グーグルの「Android」で、「iOS」は7.1以上、「Android」は5.0以上がそれぞれ対応可能。
この技術を活用することで、例えばiPhone(アイフォン)とAndroidのスマートフォンという異なるOS同士であっても、通信距離20メートル以内であれば携帯電話ネットワークが使えないような状態、いわゆる「圏外」の状態であってもブルートゥースを介して相互に接続し、情報を伝達し合うことができるようになる。
NTTドコモはこの新技術を収録したソフトウェア開発キット「docomo Developer support」を3月中に無料公開するとしており、さらには新しい安否情報登録サービスについても実用化に向けて検討を進めていくとしている。
もちろん、もう二度との東日本大震災のような災害は起こってほしくはないが、しかし万が一発生した時には、こうした技術が活用され少しでも被災者の助けとなることを願うばかりである。(編集担当:滝川幸平)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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