山口大と昭和電工、LEDを用いた高速栽培技術による植物工場の海外展開で提携

2015年3月11日 15:37

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SHIGYO法による植物育成1(写真提供:TJクリエイト)

SHIGYO法による植物育成1(写真提供:TJクリエイト)[写真拡大]

  • SHIGYO法による植物育成2(写真提供:TJクリエイト)

 山口大学と昭和電工は11日、LEDを用いた植物工場の海外への技術展開に関する連携協定を締結したと発表した。

 この協定は、山口大学農学部 執行正義教授と昭和電工が共同で開発した高速栽培技術「SHIGYO法」および関連する研究成果を、山口大学の有する海外ネットワークを活用しながら世界の研究機関に移転し、さらに昭和電工が有する植物工場システム全般の設計・運営ノウハウを展開することで、世界規模での植物工場の普及と発展を目指すもの。

 SHIGYO法は、昭和電工独自の超高輝度赤色LEDと青色LEDを用いて、植物育成に最適な光照射を行うことにより、植物の生育を促し、出荷サイクルを短縮し収穫量を増大させる技術である。しかし、最適な光の照射方法は品種や生育環境によって異なることから、SHIGYO法の導入後においても高速栽培に関する技術支援が必須であり、海外で事業展開を行うには、サポート体制の構築が課題となっていたという。

 山口大学では現在、国際化を積極的に進めており、農業大学など世界各国の研究機関と学術交流協定を締結している。研修員の受入れや専門家派遣などの海外経済協力の経験も豊富なことから、今回の連携により各国の研究機関に技術移転が進み、技術者が育成されれば、海外においても植物工場システム導入後の工場運営や栽培の指導を綿密に行うことが可能になる。

 さらに昭和電工は、LED照明やアルミニウム製栽培棚、光触媒「ルミレッシュ」を使用した断熱パネルなど、高速栽培に最適な環境を実現し、植物工場の生産性を高める関連製品を多く開発している。事業化支援のノウハウも持ち、現在、国内21件の植物工場の運営に携わっている。

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