外国人旅行客への課題は言葉の壁 アプリが問題解決か

2015年2月26日 10:35

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記事提供元:エコノミックニュース

東京五輪開催決定と円安効果などにより、2014年は外国人観光客数が前年比29.4%増の1,341万3,600人(推計)となり、2年連続で過去最高を更新した。訪日外国人の波は15年以降も続く見通しで、観光業界では受け入れ態勢の整備が急ピッチで進んでいる。

東京五輪開催決定と円安効果などにより、2014年は外国人観光客数が前年比29.4%増の1,341万3,600人(推計)となり、2年連続で過去最高を更新した。訪日外国人の波は15年以降も続く見通しで、観光業界では受け入れ態勢の整備が急ピッチで進んでいる。[写真拡大]

 東京五輪開催決定と円安効果などにより、2014年は外国人観光客数が前年比29.4%増の1,341万3,600人(推計)となり、2年連続で過去最高を更新した。訪日外国人の波は15年以降も続く見通しで、観光業界では受け入れ態勢の整備が急ピッチで進んでいる。

 そんな中、スマートフォンやタブレット端末で利用できる観光アプリが注目を集めている。2月16日、自動車メーカーのトヨタ<7203>の子会社「トヨタマップスター」と、旅行予約サイト「じゃらん」などの「リクルートライフスタイル」が共同で、外国人観光客に向けた無料観光アプリを開発したと発表。英語、中国語(繁体字、簡体字)、韓国語に対応する地図情報ナビゲーションで、3月末から配信を開始する。

 奈良県では県が外国人観光客向けアプリ「Nara Audio Guide」の提供を実験的に実施。対応端末はアップル社の製品に限られているが、スマホ片手に奈良の史跡を歩くと歴史や参拝方法の動画が表示され、観光をサポートしてくれるシステムだ。

 IT会社のピジン(東京都中央区)が開発したのは翻訳サービス「QRトランスレーター」。観光地にQRコードを表示した案内板を設置し、それをスマホで読み取ると15カ国語に対応した観光案内文が表示されるという仕組みになっている。

 外国人旅行客の受け入れの課題は言葉の壁だろう。国内各地では観光地や史跡、商業施設などの案内を多言語表示に変えるなど対応に追われ、英語や中国語、韓国語など数か国語を併記したパンフレットを作成している商店街もある。

 14年に日本を訪れた外国人観光客を国・地域別にみてみると、もっとも多かったのが台湾で282万人だった。次いで韓国が275万人、中国が240万人、香港が92万人、米国が89万人、タイが66万人、オーストラリアが30万人、マレーシアが25万人、シンガポールが23万人、英国が22万人、フィリピンが18万人、カナダが18万人、フランスが18万人、ドイツが14万人、ベトナムが12万人という順だった。 外国人旅行客の消費額をみてみると、前年比43.3%増の2兆305億円にも伸びており、国内経済に大きな潤いをもたらしていることが分かる。リピーターや新規旅行客を獲得していくためには、多言語に対応した「おもてなし」によって旅行の満足度を上げることが重要だ。(編集担当:久保田雄城)

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