関連記事
コンパクトデジカメ市場で一人勝ち カシオの戦略
小学校の授業参観に行くと、スマホで我が子の写真を取るお母さんの姿は珍しくない。一昔前なら皆デジカメをかまえていたのだが、これだけスマホのカメラ機能が向上すると授業参観などの近距離撮影ではスマホでもことたりるのだ。
コンパクトデジタルカメラはスマホと一眼カメラの間で中途半端な存在となり低迷しているが、カシオ計算機〈6952〉は時代のニーズに沿った機能を搭載したカメラを次々と発表して好調を維持している。
カシオは自撮り機能で有名だ。2011年には中国でEX-TRシリーズが大ヒットとなったが、現在も自撮り機能は進化し続けいる。カメラ前部にシャッターボタンが設けられたり、離れた地点からカメラに向かって手を振ると、その動きを感知してシャッターを切るモーションシャッター機能が搭載されていたりと自撮り機能へのこだわりを感じる。
昨年の9月に発売したEX-FR10はカメラ部分と操作部分がワンタッチで分離でき、自撮りどころか後ろ姿まで撮影できるようになっている。スマホと連動できるアプリをインストールできるカメラもある。スマホとカメラが常時接続でき、カメラで撮った写真をすぐにSNSにアップできるようになっている。
カシオの的確に時代のニーズを読み取る能力には頭が下がる。こんなにカメラで自分を撮ることに熱心になる時代が来るとはだれも予想していなかったのではないだろうか。自分を撮ってSNSで人に見せるという行為にカシオは勝機を見つけのだろう。
ただ撮るだけではない。女性がよりかわいい自分の写真が撮れるようにと美白モードなど肌の色を調節する機能がついている機種もある。販売戦略担当者は、カメラというより自分を可愛く撮る為の新しいデジタル機器という位置づけで考えていると語っている。この手の機種は中国や台湾、シンガポールなどのアジアで人気が高い。
世界を巻き込んだ自撮りブームに後押しされる、カシオの好調はこれからも続くだろう。それにとどまらず同社はスポーツや研究向けの同時多点高速撮影カメラの開発にも乗り出している。(編集担当:久保田雄城)
■関連記事
・ショールーミングは「快楽」である!?専用アプリも登場
・スマホの登場で出番が激減 目覚まし時計や腕時計、デジカメ、地図、電卓などを使わない人が増加中
・デジタルカメラ累計生産2億5000万台を達成、CANON
・変革が求められるデジタルカメラの未来
・2013年 スマホが駆逐した「低廉簡単コンパクト・デジタル写真機」
※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
スポンサードリンク