「バイオ後続品」の主な開発品は60品目 市場は着実に拡大=シード・プランニング

2015年2月17日 11:23

印刷

市場調査レポート「201年版 世界のバイオシミラー開発の現状と将来展望」

市場調査レポート「201年版 世界のバイオシミラー開発の現状と将来展望」[写真拡大]

 市場調査・コンサルティング会社のシード・プランニング16日、「2015年版 世界のバイオシミラー開発の現状と将来動向」を発刊したと発表した。それによると、2012年4月の調査では、開発中の主なバイオシミラー(特許切れバイオ医薬品の後発品)は47品目であったが、現在では60品目以上に増加した。

 バイオシミラーは、日本では「バイオ後続品」と呼ばれ、厚生労働省の指針で「国内で既に新有効成分含有医薬品として承認されたバイオテクノロジー応用医薬品(先行バイオ医薬品)と同等・同質の品質、安全性、有効性を有する医薬品として、異なる製造販売業者により開発される医薬品」であると定義されている。

 2012年4月の調査では、開発中の主なバイオシミラーは47品目であったが、現在では60品目以上に増加した。その当時に比べ、注目される品目の開発ステージもアップした。主な開発品のうち申請済み、または開発ステージがPhaseⅢにあるものは17品目だった。特にトラスツズマブ、リツキシマブなどの抗体医薬や抗体類似タンパク質であるエタネルセプトが開発後期にいたったことが注目される。いずれも分子量が大きく製造が困難とされていたものである。

 これら開発後期のバイオシミラーは乳がんやリウマチをはじめとした自己免疫疾患を適応としており、これらが承認されるとバイオ医薬品市場は益々シェア争いが活発になると予想されるとしている。

 元々の市場がそれほど大きくないバイオ医薬品のシェアを奪っても市場規模は巨大とは言えないという。バイオシミラー全体の市場を拡大するには抗体医薬または抗体類似タンパク質医薬品の発売を待たねばならない。そこで各社は提携を繰り広げ、バイオシミラー市場への参入を試みた。抗体医薬品の製造能力がある受託製造業Celltrion とグローバルな販売網を持つHospira との提携は現時点で最も効を奏したと言える。このバイオシミラーの市場は未だ形成されていないが今後着実に拡大すると思われると予想している。

関連記事