群馬大、非食用バイオマスからPET樹脂を生産する技術を開発

2015年2月7日 17:04

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化石資源からPET樹脂を合成する流れを示す図(群馬大学の発表資料より)

化石資源からPET樹脂を合成する流れを示す図(群馬大学の発表資料より)[写真拡大]

  • バイオマスからPET樹脂までの合成ルートを示す図(群馬大学の発表資料より)

 群馬大学の橘熊野助教らによる研究グループは、バイオマス資源から、ポリエチレンテレフタレート(PET樹脂)の原料であるテレフタル酸を生産する方法を開発した。

 現在、PET樹脂は化石資源由来のエチレングリコールとテレフタル酸を原料として製造されている。中にはバイオマス資源からPET樹脂の製造例も出てきているが、それらは食用バイオマス資源を使用しているため、非食用バイオマス資源から製造する方法が望まれていた。

 今回の研究では、非食用バイオマス資源から工業的に生産されている化合物フルフラールからPET樹脂)の原料であるテレフタル酸を合成することに成功した。また、国際標準規格に従いテレフタル酸に含まれるバイオマス炭素含有量を測定することにより、合成したテレフタル酸が100%バイオマス由来であることが証明された。

 本研究によって開発された生産方法が実用化されると日本国内だけで年間約97万トンのCO2固定化となり、循環型社会構築に大きく貢献できると期待されている。

 なお、この内容は2月4日に「Scientific Reports」オンライン版に掲載された。

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