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ショウジョウバエが幼虫から成虫へ変化する新たな仕組みを発見 基礎生物学研究所
エクジソンによるショウジョウバエ変態過程の制御を示す図(基礎生物学研究所の発表資料より)[写真拡大]
基礎生物学研究所の大原裕也研究員・小林悟教授らによる研究グループは、ショウジョウバエを用いた事件で、幼虫から成虫への変化(変態)を制御する新しい仕組みを発見した。
多くの動物はステロイドホルモンによって、生殖能力を有する成体期へと発育することが知られている。ショウジョウバエでは、ステロイドホルモンの一種であるエクジソンが成虫への変態に必要であるが、前胸腺でエクジソンを産生するための脳からの情報伝達を担う因子についての詳細は明らかになっていなかった。
今回の研究では、前胸腺に存在する受容体Octb3Rの機能を抑制させたショウジョウバエを調べたところ、エクジソンの産生が活性化せず、蛹へ移行できないことが分かった。さらに、Octb3Rはチラミンを受け取ることが知られているため、チラミンの産生を抑制したショウジョウバエを同様に調べたところ、Octb3Rの機能を抑制した場合と同様にエクジソンの産生が活性化せず蛹へ移行できないことが明らかになった。
今後は、どのようにして幼虫はチラミンを制御しているのかを明らかにし、昆虫のみならず動物に共通する発育・成熟の制御メカニズムを解明することが期待されている。
なお、この内容は米国科学アカデミー紀要に掲載された。
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