NEC、官庁向け機密保護ソリューション 常時暗号化や遠隔削除など

2015年1月7日 14:24

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機密情報を扱うことが多い官庁向けに機密情報を徹底防衛するNECのソリューション「File Security Solution」の概要を示す図(NECの発表資料より)

機密情報を扱うことが多い官庁向けに機密情報を徹底防衛するNECのソリューション「File Security Solution」の概要を示す図(NECの発表資料より)[写真拡大]

 NECは6日、機密情報を扱うことが多い官庁向けに、機密情報を徹底防衛するソリューション「File Security Solution」の販売を今月から開始すると発表した。ユーザーライセンスの年間標準価格(税抜)は、100ライセンスパックが300万円、500ライセンスパックが1300万円、1000ライセンスパックが2100万円。

 同ソリューションの大きな特徴は、閲覧している時に暗号を解除していることが多い一般的なファイルセキュリティ製品とは違い、常に暗号化及び認証により保護されているため、外部からの情報搾取や、内部犯行による情報の流出等の情報漏洩を遮断することができるという点だ。

 ファイルを作成時から暗号化し、組織内外を問わず、権限を与えられた対象者以外の閲覧を制限するとともに、誤って組織外に送信した場合でも遠隔操作でファイルを削除できる。

 ファイルが作成されてから削除されるまでの間、常時ファイルを保護すると共に管理下に置くことで、常に誰が、いつ、どのファイルに、どのような操作をしたか把握できる仕組みだ。

 外部に送付したファイルに対しても認証サーバーにより操作ログを常に取得しているため、送付先でのファイルのコピーや他の組織への拡散といったファイルの状況管理が可能となる。

 また、アクセス権限の無い人がファイルを開こうとした際にアラートを通知し、管理者側でそのファイルを遠隔操作で削除可能で、ファイルに有効期限を設定することで期限の切れたファイルの自動削除もできる。

 さらに、外部にファイルを送付、あるいは持ち出す際に、上位者による承認フローを設定することで、適切な権限設定がされているかを確認できる。そしてファイル自体を暗号化しているため、情報共有の手段は共有サーバだけでなく、メールへの添付やUSBメモリでの受け渡し等、受け渡し方法の制限なく機密情報のやりとりができるという。

 近年、様々な組織や研究機関等の保有する情報が漏洩する事件・事故が多発している。NECでは、こうした問題に対処するため、サイバー空間のリスクゼロの実現をコンセプトとした「Ozone(オゾン)」プロジェクトを立ち上げ、現在30名体制で新規事業の企画に取り組んでいるという。今回のソリューションは、そのプロジェクトの第一弾製品で、今後3年間で100万ライセンスを販売目標にしている。(記事:町田光・記事一覧を見る

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