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年末の大掃除 ついでにメンテナンスもいかが?
近頃、正月が正月らしくない。10月のハロウィンや12月のクリスマスは年々豪華になるのに、正月ムードは年々縮小傾向にある。正月に門松やしめ飾りを見かけることもほとんどなくなり、家の中でも鏡餅を飾っている家庭も少なくなっているようだ。おせち料理も今や家庭で作るものではなく、デパートや通販で予約して買うものになりつつある。年賀状もあけおめメールで済ませる世の中だ。このままいけば、数十年後には正月を祝うこと自体がなくなってしまうのではないだろうか。
これは正月だけに限ったことではなく、年末も同じだ。日本には平安時代から「大掃除」という風習がある。江戸時代には「すす払い」といわれ、毎年12月の13日になると大掃除が行われていた。近年では、仕事の関係もあって、クリスマスが終わって年末年始の休暇に入ったあたりから大掃除を行うことが慣例になっている。ところが、ここ10年ほどの間に、この大掃除を行う世帯も激減しているという。洗剤などの日用品を扱う花王の調査によると、年末に大掃除をする家庭は2005年には87パーセントあったが、12年には56パーセントにまで減少している。
花王など掃除用品のメーカー側でもこの世情に対応すべく「正月を迎えるための大掃除」から「クリスマスパーティのためのハウスクリーニング」という風にユーザーの視点を変えることで、何とか需要の確保を行おうと躍起になっている。一方、クリーニングサービスを展開するダスキンなどは「大掃除キャンペーン」を実施するなど、需要が増えているようだ。
大掃除の風習が廃れていく中、面白い提案をしているのが、中堅住宅メーカーのアキュラホームだ。同社は、地域に密着したアフターサポートで、販売後も永続的にメンテナンスを担当し、時には同社社長自らがお宅を訪問して家屋のチェックを行う「永代家守り」という活動を行っているが、そのメンテナンスのプロが、大掃除の際に住人が普段は見てみぬふりをしている「家のメンテナンス」を提案している。しかも、プロに頼むことを勧めるのではなく、家庭で住人自身ができることはお金を使わずにメンテナンスできるようにプロの技を伝授しているのだ。
「例えば、長年住んでいると、乾燥などで壁紙が縮んで剥がれてくることがあります。これは家の欠陥ではなく、自然現象。放っておくと、見た目も悪いし、どんどんはがれてくるので、家のためにも良くありません。でも、直すのは以外に簡単です。市販の文具用の糊で、はがれた箇所をぴったり張り付け、一晩押しピンで留めて置くだけ。強力な接着剤を使用すると、張り替えたい時に剥がれなくなるので、文具の糊くらいで十分なんです」
と、アキュラホームの担当者は話す。そんな程度なら、日曜大工すらやったことがなくてもできそうだ。さらに、その上からベビーパウダーをはたくと、細かい粒子が隙間を埋めて、より目立たなくなるという。他にも気になるフローリングの傷は市販の補修用クレヨンをライターで溶かし、穴埋めする方法等もご案内している。
大掃除だけなら、わざわざ一日をつぶすのはもったいないと感じるかもしれないが、一年に一度くらい、大事な家のメンテナンスと思えばやってみる価値を新しく見出せるのではないだろうか。剥がれた壁紙や破れた障子を直して、新年を気持ちよく迎えたいものだ。(編集担当:藤原伊織)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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